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オールオン4とは?メリット・デメリットや治療の流れを解説
「インプラントに興味があるけど、費用が高い……」「総入れ歯をやめたいけど、インプラントは時間がかかりそう」とお悩みではありませんか?
これらの悩みを解決するには“オールオン4”がおすすめですが、この治療法について詳しく知らない方も多いことでしょう。
そこで本記事では、オールオン4の概要やメリット・デメリット、治療の流れを解説します。
ぜひ、失った歯を取り戻す際の参考にしてください。
目次
オールオン4とは
オールオン4とは、顎の骨に埋入した4~6本のインプラントで、前歯から奥歯まですべての歯が一体化された人工歯を支える治療法のことです。
従来のインプラントにあったデメリットを解消しうる新たな治療法として、注目が集まっています。
オールオン4のメリット
オールオン4は、数多くのメリットを享受できる治療法です。
ここでは代表的なメリットを10個紹介しますので、治療法を選ぶ際の検討材料にしてみてください。
メリット①身体への負担が少ない
オールオン4は従来のインプラントに比べて、身体的な負担を軽減できます。
インプラントですべての歯を一本ずつ治療するには、相応の時間が必要です。
術後は患部の腫れや痛みも伴うため、治療が長期化するほど身体への負担は大きくなります。
その点オールオン4は、インプラントの埋入が最低4本で済み、即日での治療も可能なことから、負担の少ない治療法といえます。
メリット②費用が安い
オールオン4は身体的な負担だけでなく、治療にかかる費用も抑えられます。
すべての歯を失った方が、従来のインプラントで治療する場合、10本程度の埋入が必要で、さらに骨の移植が伴うこともあります。
対してオールオン4は、大がかりなインプラントの埋入も、骨の移植も不要で、費用が安いのが特徴です。
関連記事:インプラント治療の費用相場は?本数の違いや費用を抑える方法も解説
メリット③術後の痛みが少ない
術後に痛みが出にくいのも、オールオン4のメリットの一つです。
オールオン4では、歯茎と人工歯を完全に固定します。
総入れ歯と違ってすき間ができないため、食べかすが挟まって痛みが生じる心配がありません。
ただし詳しくは後述しますが、手術による炎症が原因で、痛みや違和感が表れる場合もあります。
その際は、クリニックで適切な処置を受けましょう。
メリット④顎の骨が弱い方でも手術できる可能性が高い
顎の骨が弱くなってしまった方でも、オールオン4の手術は受けられます。
従来のインプラントには、顎の骨が弱いと、骨を移植する手術が必要だったり、そもそも手術できなかったりといったデメリットがありました。
それがオールオン4であれば、顎の骨が強い部分を選んで、インプラントを埋入することが可能です。
そのため、よほど骨が弱くなっていない限り、多くの方が手術を受けられるのです。
メリット⑤治療にかかる時間が短い
これまでにも解説した通り、オールオン4は短期間での治療が可能です。
一般的なインプラントでは、骨の移植が伴う場合、人工歯の装着までに半年ほどの期間を要することも少なくありません。
治療期間中は定期的にクリニックへ通う必要があり、患者様の負担になってしまうでしょう。
失った歯が多く、すぐに治療したい方にとって、即日の手術も可能なオールオン4はぴったりな治療法といえます。
関連記事:インプラント治療の期間や通院回数、完了までの流れは?
メリット⑥咀嚼で困ることが少ない
咀嚼に影響を及ぼしにくいのも、オールオン4の魅力です。
人工歯を顎の骨に固定するオールオン4では、天然の歯に近い感覚でものを咀嚼できます。
硬いものでも難なく噛めるうえ、歯茎と人工歯の間に食べ物が挟まることもありません。
入れ歯を使用していて、咀嚼に違和感を覚えている方は、オールオン4を検討してみてはいかがでしょうか。
メリット⑦見た目が美しい
オールオン4は、審美性に優れた治療法です。
歯を失うと、顎の骨や表情筋を使う機会が減っていき、口元にシワやたるみができやすくなります。
また、部分入れ歯や保険適用内の入れ歯だと、天然の歯でないことがわかりやすく、口元を見せるのに抵抗を感じてしまうかもしれません。
審美性に優れ、自然な噛み合わせを実現できるオールオン4であれば、これらの悩みを解消して若々しい笑顔を手に入れられるでしょう。
メリット⑧発音がしやすい
オールオン4の特徴の一つとして、発音しやすいことが挙げられます。
よくオールオン4と比較される総入れ歯の場合、歯茎全体を覆ってしまうため、慣れないうちはうまく発音できないことがあります。
それに対してオールオン4は、天然の歯に使用感が近く、自然な発音が可能です。
メリット⑨外れない
先ほどから何度か触れているように、オールオン4はインプラントで固定するため、人工歯が外れる心配がありません。
総入れ歯が何気ないタイミングで外れるのは、大きなストレスになるものです。
オールオン4は医師しか取り外せないようになっており、一度手術を受ければ、着脱に関する煩わしさから解放されます。
メリット⑩骨の吸収が起こりにくい
最後に紹介するのは、顎の骨が吸収されにくくなるというメリットです。
顎の骨は刺激を受けない状態が続くと、体内に吸収され、徐々に弱くなっていきます。
そうなれば顎が変形して見た目が悪くなり、噛み合わせもずれてしまうでしょう。
しっかりと固定された人工歯で咀嚼することで、顎の骨に刺激が与えられ、体内への吸収を防げます。
オールオン4のデメリット
オールオン4には多くのメリットがありますが、いくつかデメリットも存在します。
一つずつ、確認していきましょう。
デメリット①保険が適用されない治療である
オールオン4は、保険適用の治療ではありません。
すべての費用は自己負担で、保険適用の入れ歯などに比べると割高になります。
そのため「使用感にこだわりはないから、とにかく安く治療したい」という方には、向いていないかもしれません。
ただし、通常のインプラントよりも安価で手術できるのもまた事実です。
安さのみを重視して日常生活に支障が出てしまっては本末転倒なので、価格や利便性などを総合的に判断して、どの施術を受けるかを決めてください。
関連記事:インプラント治療に保険は使える?自由診療と保険が適用される条件
デメリット②抜歯が必要である
オールオン4はその特性上、施術に際して残っている歯をすべて抜く必要があります。
片顎すべての歯を最低4本のインプラントで支えるオールオン4は、残っている歯があると施術できません。
残りわずかな天然の歯だとしても、あらかじめ抜かなければならないのです。
とはいえ、抜くのが歯周病や虫歯にかかっているものであれば、むしろメリットにもなります。
関連記事:インプラントで抜歯は必須?痛みや腫れ、手術の種類について
デメリット③身体の状態によっては手術を受けられないことがある
顎の骨や身体の状態次第では、手術を受けられない場合があります。
これに関しては、医師でないと手術が可能かどうかの判断がつかないため、まずはクリニックで相談してみましょう。
デメリット④治療できるクリニックが限られる
オールオン4には高い技術力が必要となるため、「通常のインプラントは提供できてもオールオン4には対応していない」というクリニックも珍しくありません。
オールオン4の手術を希望する場合は、事前に確認する必要があります。
オールオン4の寿命
オールオン4は一度手術すれば、10年以上使用できるとされています。
ただしメンテナンスを怠ると、数年で寿命を迎えることもあるため、日頃のケアは必ず行ってください。
また、インプラントの素材によっても寿命は前後します。
メンテナンスに自信がない方は、より長持ちする素材を用いて手術してくれるクリニックを選ぶとよいかもしれません。
オールオン4の治療の流れ
オールオン4の治療は、以下の流れで進んでいきます。
【オールオン4の治療の流れ】
- カウンセリング
- 精密検査
- インプラントの埋入・仮歯の装着
- 型取り
- 人工歯の装着
まずは予算や健康状態などのヒアリングがあり、医師とともに治療の方針を決めていきます。
この際、手術に関する不安があればすべて解消しておきましょう。
ヒアリングのあとは、精密検査が行われます。
歯科用CTによって口腔内の状態を確認し、問題なく手術できるかどうかの判断が下されます。
精密検査の結果も問題なければ、最短で2回目の通院時には手術が可能です。
インプラントを埋入し、仮歯を装着するところまで行うので、その日のうちに食事をとることもできます。
その後は数か月の治療期間が設けられ、インプラントが骨に定着しているのが確認できたら、次は型取りの段階です。
取った型をもとに仮歯と置き換える人工歯が用意され、それを装着したら手術は完了となります。
完了したあとも、日々のメンテナンスは怠らないようにしたいところです。
オールオン4の費用
一般的に、オールオン4にかかる費用は、総額200万~400万円ほどです。
この金額には、精密検査や手術、人工歯の作成などにかかる費用が含まれています。
人工歯の素材や、インプラントを埋入する本数といった要素で金額に差が生じるため、カウンセリングの段階で費用の概算を確認しましょう。
関連記事:オールオン4治療にかかる費用の目安とインプラントとの違いについて
オールオン4がおすすめの人
次の項目に当てはまる方には、オールオン4がおすすめです。
【オールオン4がおすすめの人】
- 歯がボロボロになっている方
- 入れ歯での咀嚼にお困りの方
- 入れ歯のメンテナンスが面倒な方
- すでに総入れ歯を使用している方
- 天然の歯と同じような使用感の人工歯を求めている方
オールオン4は審美性と機能性の両方に優れた治療であり、入れ歯に関する悩みを解消できる可能性が高いといえます。
多くの方に適用できるため、上記の内容に心当たりがある場合には、手術を検討してみてもよいかもしれません。
ただし手術に際して、喫煙の習慣がある方は注意が必要です。
なぜなら、煙草に含まれるニコチンに毛細血管を狭める効果があり、インプラントと骨がうまく定着しないおそれがあるからです。
カウンセリングの際に医師と相談し、治療の方針を決めてください。
オールオン4の治療後に違和感を覚えたら
手術後、治療した部分に違和感を覚えた際は、クリニックを受診しましょう。
オールオン4では、治療に伴う歯茎・骨の炎症によって、一時的な痛みや違和感を覚える可能性があります。
ただし、もしもその原因が細菌による炎症や、インプラントの破損であった場合、放置するのは非常に危険です。
患部を冷やしたり痛み止めを飲んだりしても、1か月以上症状が改善されないようであれば、医師に相談することをおすすめします。
オールオン4に関してよくある質問
ここではオールオン4について、よくある質問にお答えします。
手術に際して入院の必要はありますか?
手術に際して、入院は不要です。
施術の所要時間は1時間半~3時間ほどで、その日のうちに帰宅できます。
年齢制限はありますか?
オールオン4は、年齢に関係なく受けられる手術です。
ご高齢の方でも、お気軽にご相談ください。
体力的に自信がなくても手術を受けられますか?
手術に耐えるだけの体力がない方や、全身疾患のある方は、施術できない可能性があります。
カウンセリングの際にその旨をお伝えいただければ、最適な治療をご案内します。
手術後の食事や生活で気をつけることはありますか?
基本的には普段通りの食事や生活で構いません。
とはいえ、仮歯の感覚に慣れるためにも、はじめは柔らかいものから食べることをおすすめします。
また、手術は思いのほか体力を消費するため、身体に負担をかけない生活を心がけましょう。
オールオン4にすると顔が変わる?
手術後、顔が腫れてしまう可能性はあります。
しかし腫れの多くは一時的なもので、多くの場合、数週間程度でもとに戻ります。
むしろ、嚙み合わせが改善され表情筋が鍛えられることによって、より若々しい表情を手に入れられるかもしれません。
オールオン4は、審美性と機能性に優れた治療法
今回は、オールオン4の概要やメリット・デメリット、治療の流れなどを解説しました。
オールオン4は審美性と機能性に優れているうえ、従来のインプラントと比較すると安価で施術できます。
さらには入れ歯よりも自然な使用感で、外れる心配もありません。
ここまでに紹介した内容を参考に、失った歯を取り戻す方法の一つとして、検討してみてはいかがでしょうか。
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