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インプラントとブリッジ・入れ歯はどう違う?7つの観点から見る違い
インプラントとブリッジ・入れ歯で迷っている方に向けて、それぞれの治療の特徴と違いについてご紹介します。
歯を失ったとき、インプラントにするか、それともブリッジや入れ歯にするか…迷われる方は多いものです。将来的な健康への影響も考えると、どの方法を選ぶべきかわからなくなってしまうことでしょう。
そこで今回は、インプラントとブリッジ・入れ歯との違いについて、7つの観点から解説します。それぞれに向いている人の特徴もご紹介しますので、読んでいただければご自身がどの治療法を選ぶべきかおわかりいただけるはずです。
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目次
インプラントとは
インプラントとは顎の骨に穴を開け、埋め込むタイプの義歯のことです。
手術により顎の骨に穴を開け、穴の中に「フィクスチャー」と呼ばれる金属の部品を埋め込みます。そして義歯である「上部構造」を、「アバットメント」と呼ばれる部品でフィクスチャーに固定する仕組みです。
関連記事:インプラントとは?概要・メリットデメリット・リスクなどの基礎知識
ブリッジとは
ブリッジ両隣の歯を支えにして、固定するタイプの義歯です。失われた部分の義歯と、両隣の歯にかぶせる義歯を1つにした形状をしています。
歯が失われた部分の両隣の歯を削り、被せ物をして土台として上からはめ込むように設置します。外科手術は不要で保険適用内の治療ですが、義歯の色や素材にこだわる場合は保険適用外となることもあります。
インプラントに比べると寿命が短く、見た目に違和感を抱きがちです。
関連記事:インプラントかブリッジか?違いを徹底解説
入れ歯とは
入れ歯には「部分入れ歯」と「総入れ歯」の2種類があります。
部分入れ歯はクラスプと呼ばれる金属のバネを、歯が失われた部分の両隣にかけて固定します。ブリッジと同じように、両隣の健康な歯を土台とする治療です。しかしブリッジとは違い被せ物ではなく針金で留めるため、審美性が損なわれます。
総入れ歯は歯が全く残っていない場合に適用されます。顎の形をしたピンク色の土台に、義歯を並べたものを製作。そしてピンク色の土台ごと口の中に入れて使います。
インプラントとブリッジ、入れ歯の違い
それではインプラントとブリッジ・入れ歯との違いについて、さらに詳しく見ていきましょう。7つの観点から解説します。
施術方法
まずは施術方法の違いからご紹介します。
【施術方法】
- インプラント:歯を削る必要はないが、顎の骨に穴を開けて部品を埋め込むため外科手術が必要
- ブリッジ:土台となる歯を全周削って小さくし、製作した義歯を上からかぶせるため外科手術は不要
- 入れ歯:顎や舌の大きさにあった入れ歯を製作し、針金で留めたり口の中に入れたりするため外科手術は不要
インプラントは歯肉を切開して顎の骨に穴を開ける外科手術が必要です。さらに埋め込むための骨の量が足りない場合は、骨造成と呼ばれる、骨の量を増やす手術を行うこともあります。しかしブリッジのように健康な歯を削る必要はありません。
しかしブリッジや入れ歯では外科手術は不要で、基本的に製作した義歯を固定するだけの治療です。施術方法の大きな違いは、外科手術が必要かどうかとの点になります。
審美性
続いてはそれぞれの審美性についての違いを見てみましょう。
【審美性】
- インプラント:天然歯とほぼ同じように見えて美しい
- ブリッジ:色が天然歯と違うこともあるが、保険適用外の素材を用いれば天然歯に近い仕上がりとなる
- 入れ歯:色が天然歯と違い、さらに部分入れ歯の場合は針金が見えてしまうことがある
審美性で最も優れているのはインプラントです。インプラントでは天然歯と遜色のない仕上がりとなります。固定のための金属が見えることもほぼありません。
対してブリッジは、素材により審美性が大きく左右される治療法です。保険適用内の素材で義歯を製作すれば、審美性は損なわれます。しかし保険適用外となる素材を用いれば、インプラントのように天然歯と遜色のない仕上がりも可能です。
入れ歯は審美性に劣ることが多く、部分入れ歯の場合は固定するための針金が見えて違和感があることも少なくありません。最近では金属が見えないタイプの入れ歯もありますが、保険適用外の治療となります。
以上のように、審美性ではインプラントが最も優れていると言えるでしょう。
機能面
歯である以上は機能面も大切なので、機能面についての違いもご紹介します。
【機能面】
- インプラント:咀嚼・発音ともに天然歯とほぼ同じようにできて機能面に優れる
- ブリッジ:天然歯に近い機能性がある
- 入れ歯:咀嚼・発音ともにしにくくなり、機能性が劣る
機能面でもインプラントが最も優れています。ブリッジも機能面では優れるとされますが、インプラントに比べると咀嚼や発音に支障が現れるケースが多いようです。
最も機能性で劣るのは入れ歯で、咀嚼力が低下したり、発音がしにくくなったりする可能性が高いでしょう。機能面は審美性と同じで、インプラントが最も優れていて、入れ歯が最も劣ると言えます。
健康面
次はインプラントとブリッジ・入れ歯の違いについて、健康面から解説していきます。
【健康面】
- インプラント:周囲の歯や骨に悪影響はないが、メンテナンスを怠るとインプラント周囲炎になることがある
- ブリッジ:健康な歯を削ること、咀嚼のたびに負担がかかることから両隣の歯に負担がかかり、骨が吸収されやすい
- 入れ歯:部分入れ歯の場合は土台となる歯に負担がかかり、骨が吸収されやすい
顎の骨は咀嚼時に刺激を受けないと、吸収されて徐々に痩せていきます。インプラントは顎の骨に固定されるため、周囲の歯や顎の骨への悪影響はありません。しかしメンテナンスを怠るとインプラント周囲炎にかかり、脱落しやすくなります。
ブリッジや入れ歯は顎の骨ではなく、土台となる歯により支えるタイプの義歯です。そのため咀嚼のたびに健康な歯への負担が大きく、負担がかかる歯の寿命が短くなることもあるでしょう。さらに骨への刺激が伝わりにくいため、顎の骨が吸収されやすく、徐々に痩せていきます。
関連記事:インプラントの周囲炎とは?原因や歯茎のケアの方法を紹介
寿命
治療を受ける際には、義歯としての寿命も大切なポイントとなるはずです。インプラント・ブリッジ・入れ歯の寿命についてそれぞれ見ていきましょう。
【寿命】
- インプラント:10年以上[1]
- ブリッジ:10年[2]
- 入れ歯:5~8年[2]
義歯の寿命はメンテナンスやケアの状態により変わります。しかし経過観察の報告によると、インプラントが最も長寿命であると考えられるでしょう[1][2]。それぞれの義歯が長期的に残っている割合は、次のように報告されているためです。
5年目 | 10年目 | 13年目 | 5年目 | 5年目 | |
インプラント | 96.3% | 92.6% | 89.9% | - | 86% |
クラウンブリッジ | - | 90%以下 | - | 約70% | 約50% |
部分入れ歯 | 80%以下 | 約50% | - | - | - |
出典:JSTAGE:(PDF)経過例からインプラント治療の長期寿命を検証する
出典:JSTAGE:(PDF)20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査
出典:JSTAGE:(PDF)補綴装置失敗のリスクファクターに関する文献的レビュー
ブリッジでは10年目以降から徐々に劣化が見られ始め、20年目には約半数の方にしか残っていない結果でした。入れ歯はさらに寿命が短く、10年目で約半数の方が問題を抱えます。
しかしインプラントでは20年目でも86%もの方がインプラントを失っていません。以上の報告からもわかるように、インプラントは治療後の寿命が非常に長いと言えます。
関連記事:インプラント寿命が短くなる原因とは?寿命を延ばす方法・歯科医院選びも解説
治療期間
インプラントとブリッジ・入れ歯は治療期間でも違いが現れます。3つの治療にかかる期間をご紹介します。
【治療期間】
- インプラント:6~12か月
- ブリッジ:1~2か月
- 入れ歯:2~3か月
治療期間は患者様の口腔内の状態や、適用される治療、治癒状況により変わります。
しかしインプラントは一般的に6~12か月ほどが平均であるとされ、3つの治療法の中では最も治療期間が長くなるでしょう。治療が長引きがちな理由は、外科手術を行うことで治癒期間が必要となるためです。
対してブリッジの治療期間は1~2か月です。入れ歯では2~3か月が目安となります。
ブリッジや入れ歯の治療期間に比べると、インプラントは治療が終わるまでの負担が大きい治療です。
費用面
治療を受ける際に大切なポイントとなる、費用面についても比較してみましょう。
【費用面】
- インプラント:328,000~399,000円
- ブリッジ:5,000~200,000円
- 入れ歯:10,000~500,000円
出典:竹本和代ほか著. 週刊朝日MOOK「いい歯科インプラント治療医」を選ぶ!2013. 朝日新聞出版 2013; 188
上記でご紹介したのは、保険適用内・適用外の両方を含めた、1本あたりの治療費です。インプラントは基本的に保険対象外となるため費用は高額となります。
「インプラントは治療費が高い」との思いを持たれている方もいらっしゃるでしょう。しかし比較してみると、ブリッジや入れ歯でも変わらない金額になることはあります。
いずれの治療法でも、審美性や機能性にこだわればインプラントと同じくらいの費用がかかるはずです。
関連記事:インプラント治療の費用相場は?
インプラントがおすすめの人
解説してきたことを踏まえて、インプラントをおすすめするのは次のような方です。
【インプラントがおすすめなのは?】
- 天然歯と変わらない見た目・機能性を求める方
- 長く使い続けられる義歯を選びたい方
- 健康面に配慮したい方
- 健康な歯を削りたくない方
インプラントは天然歯とほぼ変わらない見た目・機能性を持っています。そのため治療前に比べて違和感なく、咀嚼や会話を楽しんでいただけるでしょう。
またインプラントは治療期間が長くなりがちですが、寿命も長い傾向です。そのため長期的な視点から見れば、治療のための通院期間が短くなり、総体的な治療の負担は少なくなると考えられます。
そして全身の健康に配慮している方にもインプラントがおすすめです。口内の健康は全身に健康に影響を与えます。将来も長く健康を保ちたいと思われているなら、インプラントが第一の選択となるでしょう。
ブリッジがおすすめの人
続いてブリッジがおすすめな方の特徴についてご紹介します。
【ブリッジがおすすめなのは?】
- 審美性よりも治療費用の低さを重視する方
- 寿命・機能性ともにほどほどを希望される方
- 時間がなく長期的な通院が難しい方
- 外科手術を避けたい方
ブリッジは審美性・機能性・寿命などにおいて、インプラントよりは劣りますが、入れ歯よりも優れた治療法です。そのため治療費用をかけず、ほどほどの義歯を選びたいという方におすすめします。
また治療期間が短いため、長期的な通院が難しい方にも適した治療法です。恐怖心や身体的な負担から、外科手術を避けたいと考える方もブリッジが良いでしょう。
入れ歯がおすすめの人
最後に入れ歯がおすすめの人の特徴は次のとおりです。
【入れ歯がおすすめなのは?】
- 歯が1本も残っていない方
- 審美性や機能面の高さより治療費用の低さを重視する方
- 義歯が使えなくなったときに再度治療に通える方
- 外科手術を避けたい方
入れ歯は歯が1本も残っていない状態でも、総入れ歯で解決できます。
インプラントでも対応可能ですが、すべての歯をインプラントにすると治療費はかなり高額となります。歯が残っていない状態でも、費用を抑えながら義歯治療を受けられるのが入れ歯のメリットです。
ただし審美性や機能面、寿命では他の義歯に比べて劣るため、納得のうえで治療を受けられる方が入れ歯に適しているでしょう。
寿命の短さから、使えなくなれば再度通院が必要です。将来的に再治療のための通院が可能で、外科手術を避けたい方は入れ歯をおすすめします。
インプラントとブリッジ・入れ歯は違いを押さえて選択を
いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、インプラントとブリッジ・入れ歯との違いがご理解いただけたと思います。
インプラントは治療期間が長く、外科手術が必要ではありますが、審美性・機能面・寿命・健康面で優れた結果を出すことが多い治療法です。
ブリッジや入れ歯は治療期間が短いものの、インプラントほど使い勝手に優れたものではありません。さらに審美性を重視するとインプラントと治療費用が同等になる可能性もあります。
あきもと歯科では保険診療・インプラントの両方のいずれにしても、精密な治療をご提供します。義歯の治療法に迷われているなら、あきもと歯科へとご相談ください。あなた様に最適な治療をご提案します。
[1]参照:JSTAGE:(PDF)経過例からインプラント治療の長期寿命を検証する
[2]参照:JSTAGE:(PDF)補綴装置失敗のリスクファクターに関する文献的レビュー
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