インプラント寿命が短くなる原因とは?
寿命を延ばす方法・歯科医院選びも解説
インプラントは10~15年以上と長い寿命を誇る治療法です。しかし噛み合わせや日々の生活習慣などが原因で、せっかく長い寿命を縮めてしまうケースがあります。
この記事ではインプラントの寿命が縮まる原因と寿命を延ばす方法を解説します。またインプラントを長く使うための歯科医院選びにおけるポイントについても紹介します。インプラントを検討されている方、またインプラントを利用しているが長持ちするか不安に感じている方はぜひ参考にしてください。
インプラントの寿命とは?
インプラントの寿命とは、「インプラント体」という顎の骨と結合するための部品が外れてしまうまでの期間を指しています。インプラント体が外れる原因としては以下のようなことが挙げられます。
- 歯科医のインプラントの埋め込み方が適切でなかった
- 噛み合わせの不具合により、インプラントに負担がかかる
- 口腔ケアが不十分でインプラント周囲炎などの炎症が起こる
また歯ぎしりや食いしばりなどの習慣がある場合も、インプラント体が外れやすくなります。強い力で噛んでしまうと、インプラントやその被せ物に大きなダメージが加わるためです。そのほか喫煙もインプラントの寿命を縮める原因です。
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インプラントの寿命はどのくらい?
インプラントの寿命は一般的に10~15年以上です。より詳しくみると、10~15年程度生存する確率は上顎の場合90%程度、下顎の場合94%程度です。[※]
またインプラントの寿命を延ばすための努力を日々怠らなければ、40年以上使い続けることが可能です。1965年、ブローネマルク教授が世界で初めて臨床利用したインプラントは40年以上外れることなく保持されました。
インプラントは登場したばかりの頃と比べ、素材や技術の改良が重ねられています。正しい習慣が身につけば、生涯一度も壊れず使い続けることも夢ではないといえるのです。
[※]出典:厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf
インプラントは入れ歯やブリッジよりも長持ちする?
入れ歯の寿命は一般的に4~5年、ブリッジの寿命は7~8年程度ですので、インプラントは入れ歯やブリッジより長持ちするといえます。
入れ歯は失われた歯に取り外し可能な義歯をはめる治療法です。老化による骨の吸収や、噛む癖などが原因で早く壊れやすい傾向にあります。
ブリッジは失われた歯の前後にある歯を削り、被せ物をする治療法です。土台の面積が狭いため過剰な力がかかりやすく、負担の大きいため、寿命が短い傾向にあります。
インプラントの寿命が短くなる原因とは?
インプラントの寿命が短くなってしまうのには様々な原因がありますが、主なものは以下です。
- インプラントが適切に埋入されていない
- 歯周病治療が不十分
- 定期的にメンテナンスがされていない
- 噛み合わせの調整が不適切
ここではこれらの原因について細かく紹介していきます。
インプラントが適切に埋入されていない
インプラントは骨と強く結びつくことで、本物の歯と同様の噛む力を手に入れます。しかしインプラントが埋め込まれた際、位置や深さが適切でなければ骨とうまく結合できません。
なかには顎の骨を貫通してしまい、そもそも結合されなかったという事例もあります。そうなると噛む力が獲得できないため早期にインプラントが脱落し、平均と比べて大変短い寿命となってしまうのです。
また顎の骨に穴を開けるドリリングが適切に行われなければ、骨がダメージを受けます。その場合も、インプラントの結合がうまくいかず脱落の原因となります。
いずれの場合でも、痛みや腫れといった症状が長期化する可能性が高く、そうなると日常生活に支障が出るため注意が必要です。
歯周病治療が不十分
歯周病治療が不十分な場合、インプラントが歯周病菌などの細菌に感染しやすくなります。天然の歯が感染する場合と比較すると炎症の進みがより速いため、インプラントが早期に脱落する原因となるのです。ひどい場合はインプラントの周囲の骨も溶けかねません。
歯周病に伴うインプラントの炎症は自覚症状を感じにくく、重度になるまで放置されがちなため注意が必要です。
定期的にメンテナンスがされていない
インプラントは通常の歯と同様に歯磨きをしたり、歯科医院で定期的にクリーニングしてもらったりする必要があります。また歯科医院ではインプラントのネジに緩みがないかチェックしてもらうことができます。
こうしたメンテナンスを怠ってしまうと、歯周病菌をはじめとする細菌に感染しやすくなり、炎症による脱落が発生する可能性があるのです。歯科医院でメンテナンスを行う際は特に細菌感染のリスクが高いため、衛生管理が徹底されていない医院を選ぶことも望ましくありません。
噛み合わせの調整が不適切
噛み合わせの調整が不適切な場合、特定の歯に負担がかかります。その歯がインプラント用の人工歯であった場合、外れたり破損したりする危険性があります。
また、噛み合わせが良くないと細菌に感染するリスクも高まるため、医師の指導を通じて正しい噛み合わせを行うことが重要です。
インプラントの寿命を長くする方法は?
インプラントの寿命を長くするために自身でできることは数多くあります。
- 治療技術の高い歯科医院を選ぶ
- 毎日のセルフケアを徹底する
- 定期的なメンテナンスを歯科医院で行う
- 喫煙回数を減らす(禁煙する)
- 噛み合わせの改善を行う
ここではそれぞれの方法について、詳細や期待できる効果を解説します。
治療技術の高い歯科医院を選ぶ
インプラントの寿命を大きく左右する要素が、インプラントの埋める位置が適切かどうかです。たった数ミリずれているだけでも、痛みやかみ合わせの悪さに繋がり、インプラントを正しく使用できず、インプラントの寿命が縮まることがあります。したがって、経験豊富で治療技術の高い歯科医院を選ぶことが重要です。治療技術が高ければ、その分ミスなく最も良い位置にインプラントが埋められる確率が格段に高まります。
実際に歯科医院を選ぶ際には、インプラントを担当する医師の経歴や実績をチェックしておき、腕が確かかどうか判断するのが望ましいです。
毎日のセルフケアを徹底する
毎日のセルフケアを徹底することで、インプラントまわりの炎症を予防できます。炎症の予防はインプラントの寿命を延ばすことにつながります。
ひとたび炎症が発生してしまうと、インプラントが脱落しやすくなるのはもちろんのこと、歯ぐきが腫れたり口臭が悪化したりと良いことはありません。歯磨きを日々の習慣として必ず行うようにしましょう。
定期的なメンテナンスを歯科医院で行う
毎日のセルフケアだけでなく、歯科医院で定期的なメンテナンスを行ってもらうことも重要です。歯科医院では、自分で歯磨きを行うだけではなかなか掃除できない部分のクリーニングもしてもらえます。そのためよりインプラントまわりの炎症に対する予防効果が高まるのです。
また歯科医院でインプラントの状態を定期的に確認してもらうことで、万が一インプラントの人工歯やそのほかの部品が緩んでいた場合でも、早めに改善してもらえます。
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喫煙回数を減らす(禁煙する)
喫煙習慣のある方がインプラント治療を受けると、インプラントまわりの炎症が起きる可能性が高くなります。そればかりか、インプラントが骨に定着しにくかったり、手術でできた傷がなかなか治らなかったりといった弊害も起こり得るのです。
喫煙回数を減らし、可能であれば禁煙することで上記のリスクを軽減でき、インプラントの寿命を延ばすことにつながります。
噛み合わせの改善を行う
噛み合わせが適切でないと、インプラントを支えている骨に対して必要以上に負荷がかかります。この状態を放置すると、インプラントまわりの炎症が悪化するリスクも高まります。
必要に応じてマウスピースを装着し、噛み合わせを改善することで骨への負荷を軽減できればインプラントを長持ちさせることができます。
インプラント寿命が長い歯科医院の特徴
インプラントの寿命が長い歯科医院の特徴としては、以下のようなものがあります。
- 担当歯科医の実績・経験が豊富
実績や経験が豊富な歯科医は、インプラントをミリ単位のずれもなく埋めることを得意としています。人工歯を緩みなくしっかりと固定してもらえるため、術後に問題が発生する確率を大きく下げられます。 - 滅菌・感染症予防対策が徹底されている
インプラントを装着してからは定期的に歯科医院に通院し、クリーニングやインプラントの状態の確認をしてもらうことになります。その際インプラントが細菌感染を起こす危険性が高いため、滅菌・感染症予防対策が徹底されている歯科医院を選ぶことが重要です。 - 精密治療を可能にする信頼性の高い医療機器を使用している
信頼性の高い医療機器は形状がすぐれていることから、インプラントまわりの炎症を抑えてくれます。また、強度が高いことから歯ぎしりや食いしばりの影響を受けにくいという特徴もあります。 - 保証期間がある
インプラントの術後に保証期間を設けていることは、それだけインプラントの寿命を長持ちさせることに対して責任を持っている証拠です。加えてインプラントのメンテナンスに自信を持っているともいえます。また、万が一インプラントに思わぬトラブルが発生した場合のことを考えても、保証期間があると安心です。 - 定期メンテナンス・予防歯科に力を入れている
インプラントの寿命を長くするためには、インプラントのまわりの炎症を予防することが重要です。そのため、定期メンテナンスや予防歯科に力を入れている歯科医院を選びましょう。 - ヒアリングが丁寧
インプラントのメンテナンスを適切に行うにあたり、歯科医に歯の状態をなるべく詳細に把握してもらうことが重要です。ヒアリングが丁寧な歯科医院であれば、きめ細かいケアを行ってもらえる可能性が高く、インプラントを長持ちさせることにつながります。
まとめ
インプラントは10~15年以上という長い寿命を誇る治療法です。しかし、インプラントの位置のずれや、セルフケアや歯科医院のメンテナンス不足、噛み合わせなどの問題によりせっかくの寿命が縮むケースがあります。
セルフケアをしっかり行ったり、噛み合わせを改善したりすることでインプラントまわりの炎症を予防し、インプラントを長持ちさせることが可能です。またそれ以上に、インプラント手術や術後のメンテナンスを適切に行ってくれる歯科医院を選ぶことが重要です。
そのためには、炎症を引き起こす感染症の対策を徹底しており、経験・実績が豊富な歯科医院を選ぶことがポイントです。
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