トップ画像

Column

インビザライン中の飲み物について|
マウスピースのまま飲めるものはあるの?

公開日:

インビザラインはマウスピースを用いて行う、歯科矯正治療の一つです。取り外し可能なマウスピースを装着して徐々に歯を動かしていく仕組みのため、治療の期間中はマウスピースを長時間装着し、飲食の際は配慮が必要になります。

本記事ではインビザライン治療中の飲み物に注目して、マウスピースを付けたままの状態で飲み物を飲むには制限がある理由や、マウスピースを付けたまま飲んではいけない飲み物を紹介していきます。やむを得ない場合の対処法についても解説していくので、インビザライン治療を行うか迷っている方は、治療前にぜひ参考にしてください。また現在治療を行っているという方は、間違った理解をしていないか確認するために、本記事をチェックしておくことをおすすめします。

【関連記事】

インビザラインとは?治療の流れや金額の目安を解説

インビザライン中の飲み物に制限がある3つの理由

インビザライン中の飲み物に制限がある3つの理由

冒頭でもご紹介したとおり、インビザラインのマウスピースは取り外しが可能です。基本的に上記以外の飲み物を飲みたい場合は、マウスピースを取り外して飲めば問題ありません。

とはいえ食事や仕事中、外出先でも飲み物を飲むタイミングは多く、その都度マウスピースを外すのは手間がかかります。マウスピース装着中には飲み物に制限があるため、飲み物を飲むタイミングでその制限を守らなければ、治療にさまざまな影響を及ぼします。間違った知識のままでは、歯の着色や虫歯など、さまざまな弊害を生む場合もあるでしょう。

そもそも、インビザラインの治療中にマウスピースを付けたまま飲める飲み物は

  • 糖分や酸味の無い炭酸水

の2種類のみです。

上記以外の飲み物に制限があるのは、下記の3つのリスクがあるためです。

  1. 虫歯ができる
  2. 歯やマウスピースに着色汚れが付着する
  3. マウスピースが変形する

では、なぜ3つのリスクがあるのか、それぞれ次の章で解説していきます。

1.虫歯ができやすくなる

「虫歯ができやすくなる」ということが、マウスピースを付けた状態での飲食が制限されている1つ目の理由です。

インビザラインの治療中は、マウスピースを装着することで歯をぴったりと覆ってしまいます。このマウスピースは1日20時間以上つけることになっているため、ほぼ1日中マウスピースに歯が覆われ、唾液に触れないという状態です。

唾液には細菌を流す役割があるといわれています。しかしマウスピースに歯が覆われてしまっていては、その効果がうまく得られません。むしろ唾液によって細菌を流す効果がうまく得られない分、虫歯菌が停滞してしまう可能性もあります。さらには唾液の分泌量が少なく乾いた口内では、歯周病の原因となる菌も繁殖しやすいといわれているため、歯周病のリスクも高まるでしょう。

またもし虫歯菌の原因となる糖が歯とマウスピースの間についていた場合、マウスピースを外して歯磨きをするまでの間、ずっと糖が歯の表面についたままになってしまいます。その場合、糖に集まる虫歯菌に歯がさらされた状態になるため、必然的に虫歯になるリスクが高くなります。

虫歯予防のためには、唾液の分泌を促すように唾液腺のマッサージをしたり食事の際によく噛んだりするようにし、食後はしっかりと歯磨きや口濯ぎを行うようにしてください。

2.歯やマウスピースに着色汚れが付着する

マウスピースを付けた状態での飲食が制限されている2つ目の理由は、「歯やマウスピースに着色汚れが付く」ことです。例えば着色汚れの原因となるステインを含んだ飲み物を飲んだ場合、マウスピースを外して歯磨きをするまでの間、汚れが歯の表面に付着したままになってしまいます。

ステインは一度着色してしまうと、その後口を濯いだりマウスピースを外して洗ったりしても、元に戻りません。せっかく奇麗な透明のマウスピースが着色によって汚れてしまうと、常に歯が汚れているように見えてしまいます。また、もともとマウスピースを装着していなくても、着色汚れが付きやすい飲み物は、過剰に摂取しないように日頃から気を付けましょう。

着色汚れが心配だからと、マウスピースを外してステインを含んだ飲み物を飲んだとします。その場合再度マウスピースを装着する際には歯磨きや口濯ぎをしてから装着するようにしましょう。口を奇麗にしてから装着することで、着色の要因となるステインを洗い流して色素沈着してしまうのを防ぐことができます。口だけでなくマウスピースも奇麗に洗って装着してください。

なかなか外出先などで歯磨きをしている時間がないという方は、ガムを噛んで唾液の分泌を促進することで口内環境を改善するという方法もあります。ただし、虫歯予防の観点からガムを噛む場合にはノンシュガーのものを選ぶようにしましょう。もちろんですが、ガムを噛んだからといって歯磨きをしなくても良いわけではないため、可能なタイミングで歯磨きや口濯ぎを行うようにしてください。

3.マウスピースが変形する

インビザラインのマウスピースは熱によって歪んだり破損したりします。そのためマウスピースを着けたままホットの飲み物を飲むのは控えた方が良いとされており、公式のWebサイトでは「洗浄の際は、専用の洗浄剤を使用し、40°程度の温水で15分程度であれば、使用に支障をきたすような変形は通常起こりません。」と説明しています。つまり、40度以上の状態が15分以上続くと、「変形してしまうなどの可能性がある」のです。これがマウスピースを付けた状態での飲食が制限されている3つ目の理由です。

自動販売機のホットドリンクの温度は55度前後、一般的な紅茶などを淹れる推奨温度は60度~70度といわれています。そのため、日常的に自動販売機でホットドリンクを飲む方や、暖かい紅茶やコーヒーを淹れて飲む習慣がある方は注意が必要です。

マウスピースが変形してしまうと、再度作り直さなければならず、治療の進み具合に支障が出てしまいます。クリニックによっては追加費用が掛かるケースもあるかもしれません。マウスピースを装着しながら飲み物を飲む場合には、熱いものはなるべく控えると良いでしょう。

出典:インビザライン・ジャパン株式会社「よくあるご質問」
※チャットボット「温度」と質問した場合の回答
https://www.invisalignjapan.co.jp/consumer/faq ,(参照2022-6-5)

飲んではいけない飲み物一覧

飲んではいけない飲み物一覧

ここまでで解説した3つの制限をふまえ、マウスピースを付けた状態で飲んではいけない飲み物を、危険度も併せて一覧でご紹介していきます。基本的には水や糖分を含まない炭酸水以外NGと考えるべきですが、この後ご紹介するやむを得ない場合のために、リスクの高さを把握しておきましょう。

危険度
虫歯ができやすい飲み物
  • スポーツドリンク
  • 炭酸水(甘さのあるもの)
  • ジュースなどの甘い飲み物
着色汚れが付きやすい飲み物
  • 着色のあるジュース
  • お茶
  • コーヒー
  • ワイン
  • 紅茶
マウスピースが変形する飲み物 ホットの飲み物全般

一般的に虫歯菌の要因とされる糖分を含んだ甘い飲料は、マウスピース着用中は控える必要があります。意外だと思われるのが、清涼飲料水やスポーツドリンクです。実は思っているよりも糖分が多く含まれている飲み物なので、注意が必要です。

またコーヒーや紅茶、ワインなどの色素の強い飲み物は着色汚れが付きやすいため、特に注意してください。これらの飲み物を飲む場合には必ずマウスピースを外しましょう。お茶なら大丈夫と思っている方もいますが、お茶の場合でも茶渋が付く場合があります。そのため、お茶を飲む場合もマウスピースを取り外しておくのが無難です。

やむを得ずマウスピースをつけたまま飲む場合の対処法

やむを得ずマウスピースをつけたまま飲む場合の対処法

繰り返しになりますが、マウスピースを着用しながら表の飲み物を飲むことは、着色や虫歯などさまざまなリスクが考えられます。上記の表の飲み物を摂取する場合は、原則マウスピースを外してから摂取してください。

とはいえ、マウスピースを取り外すタイミングもなく、会議などでやむを得ずマウスピースをつけたまま水・無糖の炭酸水以外の飲み物を飲まなければならない場合もあるかもしれません。

マウスピースをつけたまま飲まざるを得ない場合の対処方法として、飲み物が選べる状況ならば、前述した表で紹介したものの中でも危険度が低いものを選びましょう。ホットの飲み物はマウスピースが変形したり破損したりといった危険があるため、しばらく冷ましてから飲むようにしてください。コーヒーや紅茶には、ミルクや砂糖が付いている場合もありますが、それらは虫歯のもととなるので入れないようにするのがおすすめです。

またやむを得ない事情でマウスピースを装着したまま、水以外の飲み物を飲んでしまったという場合には、なるべく早くマウスピースを取り外し、マウスピースを奇麗に洗いましょう。マウスピースだけではなく、なるべく早く歯磨きや口濯ぎをして奇麗な状態に戻すべきです。

もし事前に会合などの外せない予定があるのが分かっており、どうすればよいか不安ならば、一度歯科医師に相談してみてください。

【関連記事】

インビザラインが浮く理由とは?

マウスピースをしたまま飲めるのは原則水だけ

マウスピースを付けたまま飲める飲み物は、原則水や無糖の炭酸だけです。とはいえマウスピース矯正は、ワイヤー矯正のように付けっ放しではなく、食事の時や飲み物を飲むときなど、好きなタイミングでマウスピースを取り外すことができる矯正です。もちろんマウスピースを外せば好きなものを飲んでも構いません。ただし再装着する前に、口腔とマウスピースを綺麗に洗浄するのを忘れないようにしましょう。

あきもと歯科では、インビザライン治療を行っています。カウンセリングでは矯正治療の希望を無料で相談でき、さらに写真撮影から型取りまでも行うことができます。経験豊富な歯科医師が患者さまの歯型に合わせてオーダーメイドの型取りを行うので、これまでの矯正で治療がうまくいかなかったという経験がある方にもおすすめです。

インビザラインに興味があるという方や、以前矯正していたが途中でやめてしまったという方は、ぜひ一度カウンセリングにてご相談ください。

コラム一覧に戻る

インプラントについてのご相談はこちら