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インプラントにはどんな歯ブラシが良いの? 選び方や磨き方を徹底解説

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インプラントにはどんな歯ブラシが良いの? 選び方や磨き方を徹底解説

インプラントは、欠損した歯の機能を回復するための治療法であり、天然歯のように自然な見た目を実現します。しかしインプラントは天然歯と比べて傷が付きやすいとも言われています。長持ちさせるためには、天然歯と同様に毎日の歯磨きをはじめとするケアが非常に重要です。

そこで本記事では、インプラントのケアに適した歯ブラシの選び方や、効果的な磨き方などを解説します。インプラントを健康に保ち、長く使い続けるためのポイントを詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療後は歯磨きがより重要

インプラントの人工歯が虫歯になることはありませんが、インプラント周りの歯茎は、歯石やプラークがたまることで細菌が繁殖しやすくなるという特徴があります。

細菌が繁殖している状態が長く続いた場合、インプラント周辺の粘膜に炎症が起こり、いわゆる「インプラント周囲炎」という病気に発展します。インプラント周囲炎になると、歯茎の腫れや出血など、歯周病に似た症状が起こり、さらに炎症が悪化した場合、インプラントを支えていた骨が溶けて、最悪インプラントが抜け落ちることもあるのです。

そのため、インプラントを長持ちさせるためにも、インプラント治療後は歯磨きによるケアが非常に重要です。

インプラントケアに適した手動歯ブラシの選び方

インプラント治療後のケアにおいて、適切な歯ブラシの選択は非常に重要です。新しい手動歯ブラシを選ぶ際には、以下の3つのポイントに注目しましょう。

  1. 毛先の細さ
  2. ブラシヘッドのサイズ
  3. 毛の柔らかさ

それぞれ詳しく解説していきます。

1. 毛先の細さ

インプラントと歯茎の境目は、プラークや食べかすがたまりやすい場所です。そのため、細い毛先の歯ブラシを選ぶことが大切です。

そして歯磨きの際は、毛先がインプラントと歯茎の境目に届くように意識し、歯の表面だけでなく、裏側や隣接面なども丁寧に磨くようにしましょう。これにより、インプラント周辺の衛生状態を良好に保てます。

2. ブラシヘッドのサイズ

インプラント周辺のデリケートなケアには、小さめのブラシヘッドがおすすめです。大き過ぎるブラシヘッドでは、インプラント周辺や歯間などの狭い部分に毛先が届きにくく、効果的な歯磨きが難しくなります。

一方、コンパクトなブラシヘッドを選ぶことで、狭い部分にも毛先が入り込みやすくなり、より丁寧な歯磨きが可能になります。なおブラシヘッドのサイズは、自分の口の大きさに合ったものを選ぶことが大切です。

3. 毛の柔らかさ

インプラント治療後は、歯茎が敏感になっているため、できるだけ柔らかい毛の歯ブラシを使用するのが良いでしょう。硬過ぎる毛先は、インプラントの表面を傷付けたり、周辺の歯肉に炎症を引き起こしたりするリスクがあります。

一方、柔らかい毛先ならインプラント表面に優しく当たり、プラークをしっかり取り除ける上に、歯茎への刺激も抑えられるため、歯肉の健康維持にも役立ちます。ただし、あまりにも柔らか過ぎる歯ブラシは、汚れを取る効果が低くなる可能性があるので注意が必要です。

インプラント治療後は電動歯ブラシも有効

インプラントケアには電動歯ブラシを使用する方法も有効です。電動歯ブラシは通常の歯ブラシよりも力を入れずに磨けるため、インプラント治療後に使用する人も少なくありません。

なお電動歯ブラシは、電動歯ブラシ、音波歯ブラシ、超音波歯ブラシの3つに分かれます。以下では、それぞれの特徴や違いについて紹介します。

電動歯ブラシ

電動歯ブラシは電動のモーターの力で、1分間当たり数千回も の高速回転をして歯の汚れを落とします。

電動歯ブラシは効率良く歯の汚れが落とせて、短い時間で磨ける点が大きなメリットです。一方で、使い方によっては歯や歯茎を傷付ける恐れがあることや、使用中の音がやや大きい、電池や電気が必要、手動の歯ブラシよりも高額といったデメリットもあります。

音波歯ブラシ

音波歯ブラシは、音波振動を発生させることで歯垢を除去する電動歯ブラシです。一般的な電動歯ブラシと比較すると、ブラシの先端が高速で動き、さらに音波で発生した水流によって、歯と歯の間や、歯と歯茎の間に詰まった細かい汚れも除去できます。

また音波歯ブラシは、直接歯にブラシを当てなくても、毛先から2~3mm 程度先の汚れであれば音波の力で落とすことが可能です。

一方、使い方には少々コツが必要で、使用中の音が気になるという人もいるでしょう。さらに比較的値段が高いという点もデメリットといえます。

超音波歯ブラシ

超音波歯ブラシは、160~200万Hzの振動数で超音波が発生します。 これによって歯からプラークを浮き上がらせ、さらにプラークの元となる不溶性グルカンと呼ばれる細菌と結合するタンパク質の破壊も可能です。また人が聞き取れない周波数のため、使い心地が静かな点もメリットといえるでしょう。

しかしこちらも音波歯ブラシと同様に少々コツが必要で、価格が高いというデメリットがあります。

手動歯ブラシによる正しい磨き方

インプラントケアに適した手動歯ブラシを選んだとしても、磨き方が誤っていると汚れがきちんと落ちず、インプラント周囲炎になるといった恐れがあります。

そこで以下では、手動歯ブラシによる正しい歯の磨き方を解説します。

最初にデンタルフロスなどで磨く

歯ブラシだけでは、歯と歯の間や奥歯の裏側の汚れを十分に取り除くことが難しい場合があります。そのため、歯磨きの前にデンタルフロスや歯間ブラシを使用して、歯間部分や歯の根元を丁寧に磨くことが大切です。

デンタルフロスは、歯間に挿入して上下に動かしながら、歯の表面に沿ってゆっくりと動かします。歯間ブラシは、歯間に合ったサイズを選び、ゆっくりと前後に動かしながら使用します。これらのツールを使うことで、歯ブラシだけでは取り除きにくい歯間部分の汚れの除去が可能です。

歯ブラシはペンを持つように

歯ブラシを正しく持つことは、効果的な歯磨きのために重要です。歯ブラシは、親指、人差し指、中指の3本でペンを持つように持ちます。この持ち方では、歯ブラシに過度な力が加わることなく、ブラシのコントロールが容易になります。

特にインプラントの人工歯を磨く際は、歯ブラシを人工歯に対して45度 の角度に傾けることを意識しましょう。この角度で磨くことで、歯ブラシの毛先がインプラントと歯茎の間に適切に入り込み、汚れを効果的に取り除けます。

毛先の使い方に注意する

歯ブラシの毛先の使い方も、正しい歯磨きのために重要なポイントです。歯ブラシを使用する際は、毛先を磨きたい場所に当て、毛先を細かく振動させるようにして磨きます。

特にインプラントと歯茎の境目は、毛先を当てながら、小さく震えさせるようにして念入りに磨きましょう。この方法で磨くことで、インプラント周辺の汚れを効果的に取り除けます。ただし、毛先を強く押し付け過ぎると、歯茎を傷付けたり、インプラントを損傷したりする可能性があるので注意が必要です。

磨く順番を決める

歯磨きの際は、磨く順番を決めておくことで、磨き残しを防げます。一筆書きをするように、決まった順序で磨くと、全ての歯を効率的に磨けるでしょう。

まず右上の奥歯から順番に磨き、左上の奥歯まできたら、次は左下の奥歯から右下の奥歯へと移動します。このような順番で、上下の歯を丁寧に磨いていきましょう。

電動歯ブラシによる正しい磨き方

ここからは、電動歯ブラシによる正しい歯の磨き方をご紹介します。同じ電動歯ブラシでも種類によって磨き方に多少の違いがあるため、自分の使用している歯ブラシの種類に合わせて磨き方を変えてください。

電動歯ブラシを使う場合

電動歯ブラシは握るようにしっかりと持ち、毛先が軽く歯に当たる程度かつ歯の一本一本を包み込むように意識しながら磨いていきましょう。毛先を一定の位置に当て、スライドをさせるイメージです。なお電動歯ブラシを使用する場合は、研磨剤や発泡剤の入った歯磨き粉を使わなくても十分にお口の中のケアが可能です。

音波歯ブラシを使う場合

音波歯ブラシは、水分が多いほど効果が上がるため、使用前には歯ブラシに水を十分に含ませておきましょう。音波歯ブラシは口腔内に水が適度にある状態で磨くため、慣れるまでには時間がかかるかもしれません。他の電動歯ブラシよりも音が大きく聞こえることがありますが、慣れると気にはならないでしょう。使い方が分かりにくい場合は、クリニックで使い方をレクチャーしてもらうことをおすすめします。

超音波歯ブラシを使う場合

超音波歯ブラシは、他のタイプの電動歯ブラシとは異なり、手動歯ブラシのように小刻みに手を動かす必要があります。ただし、毛先を強く押し付けるのではなく、歯に当たる際には軽い力で磨きましょう。

また超音波歯ブラシは使い方を誤ると効果が出にくいため、正しい使い方を身に付ける必要があります。音波歯ブラシを使う場合と同様、正しい使い方が分かりにくい場合はクリニックでレクチャーしてもらいましょう。

インプラントは定期的にクリニックでケアをしよう

インプラント治療後のメンテナンスは、口腔内の健康を維持するために欠かせません。自宅でのケアも大切ですが、プロによる定期的なメンテナンスが必要不可欠です。

一般的に、インプラントの治療後は歯科クリニックでの定期的なメンテナンスが推奨されています。メンテナンスでは、口腔内の詳細なチェック、レントゲン検査、歯のクリーニング、噛み合わせの調整、ブラッシング指導などが行われ、インプラントと天然歯の両方の健康状態をチェックします。

あきもと歯科では、インプラント埋入後に5年間の保証を付けております。またインプラントの定期的なメンテナンスも承っておりますので、ぜひご相談ください。

横浜のインプラント治療なら「あきもと歯科」

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