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インプラントのメンテナンスとは?必要な理由と自宅・歯科でのケア方法を解説
インプラントは、天然歯に近い見た目と噛み心地を得られる治療法です。
しかし、長く快適に使い続けるには、日々のセルフケアと歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。
治療後のメンテナンスを怠ると、トラブルを招き寿命が短くなる可能性があります。
本記事では、インプラントのメンテナンスの必要性や、自宅・歯科医院で受けるメンテナンス内容を解説します。
インプラントを長持ちさせたい方は、参考にしてください。
インプラント治療後にメンテナンスが必要な理由
インプラント治療後にメンテナンスが必要な理由は、下記のとおりです。
- インプラントを長持ちさせるため
- インプラント周囲炎を防ぐため
- 残った歯や保証制度を守るため
詳しく解説します。
インプラントを長持ちさせるため
インプラントは適切なケアを行えば、入れ歯やブリッジよりも長く機能するといわれています。
セルフケアと定期点検を両立すれば10年、20年と使用可能です。
しかし、噛み合わせのズレや被せ物の緩みを放置すると、インプラントを支える骨に負担がかかり、徐々に吸収されてしまいます。
数ヶ月おきにメンテナンスを行うことで、再治療に比べて、費用もストレスも抑えられます。
インプラント周囲炎を防ぐため
インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲にプラークや歯石が溜まり、歯茎が炎症を起こす病気です。
初期段階では、痛みなどの自覚症状が出にくいため、気づいたときにはすでに進行しているケースも少なくありません。
毎日の歯みがきでは、歯周ポケットの奥にある汚れまで取り除くのは難しく、セルフケアだけでは限界があります。
そのため、歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。
専門の器具を使ったクリーニングで見えない汚れまで除去するため、インプラント周囲炎の予防と早期対応につながります。
残った歯や保証制度を守るため
インプラントのメンテナンスは、人工歯だけでなく、口腔内全体の健康を守る目的もあります。
定期的なチェックによって、下記のトラブルも早期に発見できます。
- 残っている天然歯の虫歯・歯周病
- 歯茎の腫れ
もしインプラント周囲炎が進行すれば、隣接する健康な歯に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、多くの歯科医院やインプラントメーカーでは、治療後の保証制度を設けています。
しかし、適用条件に「定期的なメンテナンスを受けていること」を明記している場合が大半です。
万が一のトラブル時に保証を確実に受けるためにも、指示された頻度でのメンテナンスは欠かせません。
インプラント治療後のメンテナンスを怠るとどうなる?
インプラントは、人工物のため虫歯にはなりません。
しかし、歯周病に似た病気の「インプラント周囲炎」にかかる可能性があります。
メンテナンスを怠ると、インプラント周囲に歯垢や歯石が蓄積し、細菌感染を引き起こして周囲炎を発症・進行させてしまいます。
また、インプラントには神経がないため、初期段階では自覚症状が出にくいのが特徴です。
気づいたときには、かなり進行しているケースも少なくありません。
インプラント周囲炎は、天然歯の歯周病よりも進行が速いとされています。
放置すると最終的にはインプラントを支える骨が溶け、インプラントが脱落してしまう可能性もあります。
そのため、日頃のセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスが大切です。
自宅でできるインプラントのセルフメンテナンス
インプラントを長持ちさせるためには、毎日のセルフメンテナンスも大切です。
ここでは、自宅でできる効果的なセルフケアのポイントを解説します。
- やわらかめの歯ブラシで丁寧に磨く
- 研磨剤なしの歯磨き粉を選ぶ
- 歯間ブラシやフロスで細かい汚れをケアする
詳しく見ていきましょう。
やわらかめの歯ブラシで丁寧に磨く
インプラントや歯茎を傷つけないように、やわらかめ、またはふつうの硬さの歯ブラシを選びましょう。
汚れが溜まりやすいインプラントと歯茎の境目は、歯ブラシの毛先を優しく当て、丁寧に磨くことを心がけてください。
1本ずつ時間をかけて磨き、磨き残しがないように注意しましょう。
また、インプラントの根元部分は、くびれた形をしているケースが多くあります。
毛束が1本になった「ワンタフトブラシ」なら、細かい部分の汚れも効果的に除去できます。
日々のブラッシングを丁寧に続けることで、インプラントを長く健康に保てるでしょう。
研磨剤なしの歯磨き粉を選ぶ
粒子が大きい研磨剤が多く含まれている歯磨き粉は、インプラントの表面を傷つけるおそれがあるため避けましょう。
研磨剤無配合や低研磨性と記載されている歯磨き粉を選ぶのがおすすめです。
また、スクラブのような顆粒入りの歯磨き粉も、使用を控えるのが賢明です。
粒子がインプラントと歯茎の隙間に入り込み、炎症を引き起こす可能性があります。
なお、虫歯予防効果のあるフッ素配合の歯磨き粉は、インプラントが入っていても問題なく使用できます。
歯間ブラシやフロスで細かい汚れをケアする
歯ブラシのみでは、歯と歯の間やインプラントの周りなど、細かい部分の汚れを完全に取り除けません。
歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助清掃用具を併用すると、汚れの除去率を向上できます。
これまで使う習慣がなかった方も、毎日のブラッシングと合わせてこれらのケアを取り入れて、インプラント周囲を清潔に保ちましょう。
歯科医院で行うインプラントのメンテナンス内容
歯科医院で行うインプラントのおもなメンテナンス内容は、下記のとおりです。
メンテナンス内容 | 詳細 |
---|---|
口腔内チェック | インプラント・歯茎・噛み合わせ・ほかの歯の状態を目視や器具で確認 |
レントゲン検査 (必要に応じて実施) |
顎の骨やインプラントの状態を画像で確認 |
クリーニング | 専用の器具を使い、普段の歯磨きでは取れない歯石や細菌の膜を除去 |
噛み合わせチェック・調整 | ・全体の噛み合わせのバランス・インプラントに負担がかかっていないか確認 ・必要に応じて調整 |
歯磨き指導 | 効果的な歯磨き方法や清掃用具の使い方をアドバイス |
これらの定期的なチェックと専門的なケアを行うことで、大切なインプラントを長期的に守り、快適な状態を維持できます。
インプラントのメンテナンス費用の目安
インプラントのメンテナンスは、基本的に健康保険が適用されない自由診療となります。
そのため、費用は歯科医院ごとに異なり、レントゲン撮影の有無やクリーニングの内容によっても変動します。
一般的な目安は、1回のメンテナンスにつき5,000~1万円程度です。
年間にすると、数万円程度かかります。
この費用はインプラントに限らず、天然歯の健康を維持するための、定期検診やクリーニングと同様に必要な費用と考えられるでしょう。
将来的なトラブルによる再治療のリスクや費用を考慮すれば、予防のためのメンテナンスは必要不可欠です。
インプラントのメンテナンスの通院頻度
インプラントメンテナンスの適切な通院頻度は、口の中の状態やインプラント周囲炎のリスクによって判断されます。
一般的には、3~6ヶ月に1回、年に2~4回程度の受診を推奨されるケースが多い傾向です。
とくに問題がないと感じていても、歯科医師や歯科衛生士から指示された頻度で定期的に通院しましょう。
専門的なチェックとクリーニングを受けることで、インプラントの状態を良好に保ち、長期的に快適に使い続けられます。
正しいメンテナンスで、インプラントを快適に使い続けよう
インプラントは、適切なケアと通院の継続によって、長く快適に使用できます。
トラブルを防ぎ、万が一の異常も早期に発見できるように、毎日のセルフケアと歯科医院で定期メンテナンスを行いましょう。
また、治療後も安心して任せられる歯科医院を探している方には、「あきもと歯科」がおすすめです。
あきもと歯科では、大学病院での経験をもとに、安心・安全なインプラント治療を提供しています。
高品質な素材と最新設備を使い、噛みやすく長持ちするインプラントを実現しているのが魅力です。
ストレスなく噛める生活を取り戻したい方は、あきもと歯科へご相談ください。
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