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インプラントで口臭がきつくなるのはなぜ?原因と対策について解説

インプラントで口臭がきつくなるのはなぜ?原因と対策について解説

「インプラントで口臭がきつくなる」と聞いたことはありませんか。

実はインプラント治療した人すべてで口臭がきつくなるわけではなく、口腔ケアが不十分だったり、口の中に炎症が起こったりしていることが原因です。厚生労働省の「歯科疾患実態調査2016年」によると、15歳以上の約10%が「自分の口臭が気になる」回答しています。※

[※]e-ヘルスネット. 「口臭の原因・実態」参照

上記の数値は実際に口臭があることを示すわけではありませんが、多くの人が口臭を気にしていることに間違いはないでしょう。特にインプラント治療後は歯磨きがしにくいため、口臭が気になる人が多くなるのかもしれません。

この記事では、インプラントで口臭がきつくなったと感じる場合の原因や口臭の確認方法、対策を説明します。

インプラントで口臭がきつくなる原因

インプラントで口臭がきつくなる原因

インプラント自体には、口臭がきつくなる材質は使われていません。インプラント治療を受けた後に口臭がきつくなったと感じるなら、口の中の環境が荒れていることが原因です。

また、インプラント治療から長期間経過している場合、インプラントが傷んでいるケースもあります。

まずは、インプラントで口臭がきつくなる原因を3つ紹介します。自分の口臭の原因を考えながら、読んでみてください。

磨き残しがあるから

インプラント治療後に口臭がきつくなったと感じるなら、単純に歯磨きで磨き残しがあることが原因かもしれません。

そもそもインプラント治療とは、抜歯が必要な歯を抜き、人工歯根を埋め込んで人工歯とする治療法です。歯根になる部分にはネジ状のインプラント体を埋め込み、そこに歯の形に似せた被せ物をします。

元の歯とインプラント部分に段差ができたり、歯の隙間を掃除しにくかったりするため、プラークができやすくなります。プラークとは、歯の表面で繁殖した細菌の塊です。

繁殖した細菌は口の中の食べかすを餌にして、口臭の元になるメチルメルカプタンやジメチルサルファイド、硫化水素を発生させます。これらのガスは悪臭を放ち、口臭の原因になります。通常の口臭は3つのガスのうち、硫化水素の割合が多いことが特徴です。※

[※]e-ヘルスネット. 「口臭の原因・実態」参照

ネジが緩んでいるから

インプラントは大きく分けて歯根部(インプラント体)、支台部(アバットメント)、人工歯(上部構造)の3つです。アバットメントはネジ状をしており、インプラント体にねじ込む形をしています。通常は、アバットメントとインプラント体はしっかり取り付けられており、緩みはありません。

しかしインプラント治療から長期間経つと次第にネジが緩み、隙間から唾液や汚れが入り込むこともあります。入り込んだ唾液や汚れはプラークとなり、口臭を発生させます。ネジの緩み自体は身体に大きな影響はないものの、細菌増殖によって周辺の歯茎に炎症を起こすこともデメリットです。

インプラント周囲炎だから

インプラント周囲炎を起こしている場合も、口臭の主な原因となります。口臭の原因となるガスのうち、特にメチルメルカプタンによる悪臭の強いケースが多いと考えられています。※

[※]e-ヘルスネット. 「口臭の原因・実態」参照

インプラント周囲炎とは、埋め込んだインプラントの周辺部の歯茎に炎症を引き起こした状態です。歯茎の炎症はインプラントに限らず発生するもので、人工歯が原因でない場合は歯周病とも呼ばれます。インプラント周囲炎は、歯の手入れや歯科医院での定期メンテナンスなどで予防できます。

すでに発症している場合に放置すると、炎症が広がって骨まで達してしまう恐れのある病気です。歯周病とは異なり、インプラント周囲の炎症は骨に届きやすいと考えられています。インプラントは、顎の骨に埋め込んで治療するからです。

インプラント治療後に口臭が強くなったと感じたら、インプラント周囲炎も疑って、歯科医院で検査を受けましょう。

【関連記事】インプラントの6つのトラブルを原因と対策方法を解説

実は臭っているかも?自分の口臭のチェック方法

「自分は口臭がきつくないから大丈夫」と思っていませんか。自分では気付かなくても、実は口臭が発生しているかもしれません。

気付かないところで、他人に口臭がきついと思われていたら嫌ですよね。そこで、ここでは自分の口臭をチェックする方法について紹介します。

コップ・袋を使って確認する

簡単に自分の口臭を確認するには、コップや袋を使う方法があります。

まず、清潔なコップや小さめのビニール袋を用意します。サイズの大きいビニール袋や紙袋では口臭確認しにくいため、できるだけ小さいビニール袋を用意するのがおすすめです。

コップまたはビニール袋を口に当て、息を吹き込みます。吹き込んだ直後に、口に当てていたコップやビニールを鼻に当てて臭いを嗅ぎましょう。

嗅いだときに「臭い」と感じる場合は、口臭がきつくなっていると考えます。

ただし、鼻炎や花粉症などで鼻が詰まっている場合、コップやビニール袋を使っても臭いを感じないことがあります。できれば、家族に頼んで口臭をチェックしてもらうのがよいでしょう。

口臭測定器で確認する

先に紹介したコップや袋を利用した方法では、「臭いが分からない」あるいは「客観的に口臭の強さを知りたい」人は、口臭測定器を使ってみるのがおすすめです。

口臭測定器とは、口臭の元になる3つのガス、メチルメルカプタン・ジメチルサルファイド・硫化水素を半導体ガスセンサーで測定する機械です。歯科医院で測定できる他、市販の口臭測定器も販売されています。

市販の口臭測定器は口臭チェッカーと呼ばれ、数千円で購入できます。半導体ガスセンサーで口臭の原因になるガスを測定し、数値で表す仕組みです。

自分の感覚だけで口臭の有無を判断できない場合は、コップや袋ではなく口臭測定器を使うと客観的な数値で口臭の有無や強さを測れます。

インプラントが原因の口臭の対策

インプラントが原因の口臭の対策

もし口臭が気になるなら「何か対策はないの?」とお悩みかもしれません。口臭の原因がインプラントにある場合、次の3つの対策が有効です。

  • 歯磨きの徹底
  • 定期検診を受ける
  • インプラント周囲炎の治療

ここでは、インプラントが原因で起こる口臭対策を詳しくみていきましょう。

ただし、インプラント以外に原因がある場合は、ここで紹介する対策では改善しない可能性があります。口臭が気になるようなら、歯科医院で相談するのがおすすめです。

正しい方法で歯磨きをする

インプラント治療後に口臭が気になる場合、もしかしたら歯磨きが足りていないのかもしれません。インプラントは3段構造で、もともとの歯よりも段差があって磨きにくい形をしています。そのため、治療前と同じ磨き方ではうまく磨けていないことがあります。

正しい方法で歯磨きをすればプラークが減り、口臭の原因となるガスが発生しにくい口腔環境を作れるでしょう。

歯磨きでは、歯の表面だけでなく裏側や歯と歯茎の間もしっかりと磨きます。特に歯と歯茎の間には、歯周ポケットと呼ばれる隙間が生まれるのが一般的です。歯周ポケットはプラークができやすく、口臭の原因にもなります。インプラント治療後も、自分の歯と同様に歯周ポケットまできちんと磨きましょう。

しかし一般的な歯ブラシでは、インプラント部分は磨きにくい場合もあります。インプラント部分はタフトブラシを使うのがおすすめです。

タフトブラシはL字型をしていて、歯の隙間を磨くときに用いられる歯ブラシの一種です。L字のブラシは細かい部分まで届きやすく、インプラントの根本や部品周りの掃除に向いています。

またインプラント治療後は、自分の歯とインプラントの間に食べかすが挟まりやすくなります。歯と歯の間は、フロスや歯間ブラシを用いてケアすることも重要です。

定期的に歯科検診を受ける

歯磨きやフロスなど、自宅で行えるケアは口臭予防に有効ですが、セルフケアだけで口臭の原因になるプラークは落としきれません。どうしてもブラシの届かない部分が出てきてしまうからです。

そのため、定期的に歯科検診を受けて、必要に応じて歯垢除去の処置を受けましょう。歯科医院では、専用の機器を用いて汚れやプラークを取り除きます。

またインプラント周囲炎や歯周病といった異変がある場合も、歯科検診を受けていればすぐに処置してもらえます。症状がひどくならないうちに処置すれば、炎症が骨まで達したり血液に細菌が入ってしまったりするリスクを低減できるでしょう。

一般的に、歯科検診は3カ月〜6カ月ごとに実施すると、口臭予防や虫歯予防になります。歯科医院によっては、歯科検診のタイミングをハガキやメールでお知らせしてくれることもあるため、タイミングを逃さずに受診するのがおすすめです。

インプラントがある場合、治療したクリニックで歯科検診を受けなければならないと勘違いされますが、異なるクリニックを受診しても問題ありません。歯科医院を選ぶときは、インプラント治療に対応しているところにすると、万が一のときも転院の必要がなく便利です。

【関連記事】奥歯のインプラント治療の特徴とメリット・デメリットを解説

インプラント周囲炎を治療する

もし、インプラント周囲炎が口臭の原因なら治療が必要です。インプラント周囲炎は、前述のとおり放置すると骨にまで達してしまう恐ろしい炎症です。そのままにすると、埋め込んだインプラントが抜け落ちてしまう恐れもあります。

インプラント周囲炎まで発展していなくても、赤くなったり出血していたりする場合は炎症が起こっている可能性もあるため、歯科医院で診察を受けましょう。

また、インプラント治療後に長期間経っていると、ネジが緩んで口臭が発生する場合もあります。インプラント周囲炎やネジの緩みに早く気付くためにも、定期的なメンテナンスが重要です。

インプラント部分に違和感を覚えたり、歯磨きのときに出血していたりする場合は、すぐに歯科医院に相談しましょう。

【関連記事】インプラントと差し歯どっちを選ぶべき?

まとめインプラントの口臭でお悩みの方は秋元歯科へご相談ください

適切な対策をするためには、口臭の原因を突き止めることがポイントです。なぜなら、口臭の原因によって対策が異なるからです。

コップや袋を口に当てて臭いを嗅いだときに臭いと感じるなら、口臭が発生している可能性があります。正しい歯磨きや定期的な歯科検診で、口臭予防・対策に努めましょう。

口臭の原因には、インプラント周囲炎が隠れているケースもあります。歯茎が赤い・腫れ・出血などの症状がある場合は、すぐに歯科医院を受診しましょう。

インプラントの歯科検診や歯のトラブルは、秋元歯科クリニックへご相談ください。秋元歯科クリニックは土日の診療も実施しています。お急ぎの場合は随時受付しており、迅速な診察を行っています。

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