オールオン4のトラブルを回避するための方法と5つの失敗事例
インプラント治療でオールオン4を検討されている方に向けて、トラブル・失敗について解説いたします。
インプラント治療は外科手術が必要な、歯科治療の中でも大掛かりなものです。「失敗しないのか?」「術後にトラブルが起きるのでは…」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、オールオン4で起こり得る5つの失敗と、トラブルを防ぐための注意点について解説します。参考にしていただければ、きっと満足のいく治療結果を得られるはずです。
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目次
オールオン4治療に関する5つの失敗事例
オールオン4の治療に失敗するとどのようになるのか、オールオン4トラブルの事例を5つご紹介します。
失敗事例1:インプラント埋入中に神経や血管が傷ついた
まずはインプラントの埋入中に、神経や血管を傷つけてしまうトラブルについてです。埋入の角度や位置が正確でなかった場合、本来は触れるはずではない神経や血管に触れてしまうことがあります。
もし血管が傷つくと、大量に出血することになるでしょう。神経に触れた場合、神経損傷となり手術後もしびれや痛みが残ったり、感覚が麻痺したようになったりします。厚生労働省によると、インプラント手術全般における神経麻痺は0.13~8.5%程度起こるとの情報です。
オールオン4のトラブル事例として、それほど多くないかもしれません。しかし神経・血管が傷つく失敗例が存在することは確かです。
出典:厚生労働省:(PDF)歯科インプラント治療のためのQ&A
失敗事例2:歯全体の噛み合わせが合わなくなった
手術によって、歯全体の噛み合わせが合わなくなることも考えられます。噛み合わせは歯の角度・位置が少し合わなくなるだけで、正しくなくなってしまうものです。
主に技術・経験ともに不足する医師のオールオン4手術にてトラブルが起こります。噛み合わせが悪いと、インプラントの脱落や損傷しやすくなり、予後の安定性が低くなるでしょう。
失敗事例3:埋入したインプラントが顎骨に結合しなかった
トラブルのひとつとして、埋入したインプラントが顎の骨に結合しない事例も報告されています。インプラントは顎の骨と一体化され、しっかりと固定されるのが本来の姿です。しかし次のような理由で、結合されないことがあります。
【結合されない理由】
- 医師の技術力不足
- 骨の質・量の不足
- 糖尿病や喫煙などの健康状態による影響
- 口内の衛生状態の問題
正常に結合されなかった場合、再手術を無償で行ってもらえることが多いはずです。ただしオールオン4の失敗事例として起こり得ることであることは知っておいてください。
失敗事例4:治療中にインプラント周囲炎を発症した
続いての失敗事例は、治療中にインプラント周囲炎が発症されることです。インプラントでは治療中・治療後ともに「インプラント周囲炎」と呼ばれる、歯周病のような疾患になることがあります。
発症する主な原因は、ケアの不十分さです。歯垢が付着したままになっていると、口内の細菌が増えてインプラント周囲炎になりやすくなります。また喫煙などの生活習慣や、歯ぎしりなどのクセで起こることも少なくありません。治療中であっても、口腔内の環境によりインプラント周囲炎にかかることがあります。
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失敗事例5:希望した人工歯の形や色と異なった
オールオン4のトラブルとして、希望した人工歯と形・色が違いイメージ通りにならないケースもあります。人工歯は実際に装着してみると、イメージと違うことがあるためです。
想像していたよりも白すぎて不自然に見える、もっと白い方が良かった…などのイメージ違いも起こり得ます。
オールオン4治療の失敗を防ぐための5つの注意点
それではオールオン4治療における失敗・トラブルを防ぐための注意点を見ていきましょう。
注意点1:実績のある歯科医師を選ぶ
まずは実績のある歯科医師を選ぶことが欠かせません。トラブルは医師の技術不足・経験不足により起こることもあります。
特にオールオン4は高い技術が必要とされる治療です。医師の情報を調べたり、実際にカウンセリングに行ったりして慎重に検討した上で選ぶようにしてください。オールオン4の実績が豊富な医師を選べば、自ずと失敗する確率は低くなるでしょう。
注意点2:手術前に歯周病を治療する
もし歯周病があれば、手術の前に治療をしておくことも重要な注意点です。歯周病のまま手術を行うと、インプラント周囲炎が発症されやすくなります。また骨への結合が妨げられる可能性も高くなります。
基本的に多くの歯科医院では、歯周病を治してから手術を行います。ただし患者様の強い希望などがあると、歯周病が完全に治っていないまま手術を行う歯科医院がないとも限りません。
患者様側も、手術の前に治療を行わなければオールオン4のトラブルが増える可能性が高まることを知っておいてください。
注意点3:舌で患部を圧迫しない
失敗を防ぐには、手術をした部位を舌で圧迫しないようにしましょう。術後はどうしても患部が気になるものです。しかし圧迫されると、顎の骨との結合が妨げられることがあります。
目安として、術後1ヶ月程度はインプラントに余計な負荷をかけないようにすることが大切です。
注意点4:禁煙を心がける
喫煙されている方であれば、禁煙を心がけることもトラブル防止のポイントです。タバコにはインプラント治療を妨げるさまざまな要因があります。
【タバコの治療への害】
- 細胞への傷害・血流低下・栄養供給阻害により傷の治りが遅くなる[1]
- インプラント周囲炎にかかりやすくなる[1]
- インプラントの脱落が起こる可能性が高まる[1]
オールオン4の失敗・トラブルを避けるには、できる限り禁煙をしてください。
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注意点5:ブラッシングやクリーニングを欠かさない
基本的なケアであるブラッシングやクリーニングを欠かさないことも重要となります。ケアが不十分であるとインプラント周囲炎になるリスクが低下。
自宅でのケアはもちろんのこと、歯科医院で受診できる定期メンテナンスを怠らないこともトラブル予防のために重要です。
オールオン4治療を後悔しないためのポイント
オールオン4でトラブルや失敗を防ぎ、後悔を残さないためには次の3つのポイントに気をつけて治療を受けてください。
ポイント1:設備の充実した信頼できる歯科医を選ぶ
オールオン4で満足できる治療結果を残すには、歯科医院の設備に注目しましょう。
インプラント治療を正しく行うためには、事前に顎や口腔内の状態を、医院が適切に把握する必要があります。そのため歯科用CTやサージカルガイドが整っていると、治療の成功率も上がるはずです。
また感染症予防の観点から、個室タイプの手術室を備えている医院の方が安全だと考えられます。歯科医院を選ぶ際には、アクセスの良さなどの通いやすさ、医師の技術力だけではなく、設備もチェックしてから選んでください。
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ポイント2:違和感がある場合はすぐに歯科医に相談する
治療中や治療後に違和感があったら、すぐに相談することもポイントのひとつです。そのまま放置するとインプラント周囲炎を発症したり、インプラントの脱落につながったりすることもあります。
違和感がある場合、すぐに歯科医に相談するようにしてください。
ポイント3:相場より安すぎる治療プランを選ばない
相場より安いオールオン4治療は魅力的かもしれませんが、失敗を避けるには選ばないほうが無難でしょう。なぜなら相場より安い理由として、「素材が安価である」ことが考えられるためです。
弱い素材であれば、破損しやすかったり、見た目に難があったりすることもあります。オールオン4の相場は片顎で150~200万円以上です。相場の範囲内で予算に見合った歯科医院を選んでください。
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オールオン4のトラブル・失敗を防ぐには歯科医院選びとケアが重要
いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、オールオン4の失敗事例と、トラブルを防ぐための方法がご理解いただけたと思います。オールオン4での失敗やトラブルを未然に防ぐには、歯科医院選びを慎重に行うこととケアが重要です。
秋元歯科クリニックでも、手術当日にきれいな仮歯を入れられる「オールオン4」をご提供しています。その他のインプラント治療にも対応していますので、ご自身にあった治療法で迷われた際には、ぜひ秋元歯科クリニックまでご相談ください。最適な提案をさせていただきます。
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[1]参照:インプラント周囲炎に関連する全身的リスクファクター
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