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インプラントの寿命がきたらどうなるの? どうすれば良いの?
自然の歯のような感覚が魅力のインプラント。治療を検討しており、インプラントの寿命がどれくらいなのかが気になっているという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、インプラントの寿命について解説します。またインプラントが寿命を迎えるとどうなるのか、インプラントの寿命を長持ちさせるためにはどうするべきかも併せて紹介します。
目次
インプラントの平均寿命は一般的に10~15年
インプラントの平均寿命は、一般的に10~15年程度といわれています。しかし実際には10年以上、場合によっては20年以上持つこともあるようです。
インプラントには通常、5年もしくは10年の保証が付いています。従って基本的にインプラントの寿命は10年程度と考えておいても良いでしょう。ただしさまざまな理由から、インプラントの寿命が短くなってしまうケースもあります。
インプラントの寿命が来たらどうなる?
では、実際にインプラントの寿命が来たらどうなるのでしょうか。
インプラントの寿命の定義は、一般的にはインプラント手術をしてインプラントを埋め込んでから、インプラントが脱落するまでの間、つまり、インプラント体が顎の骨から抜け落ちてしまうまでを指します。
インプラント体は基本的にチタンや合金でできているため、インプラントが錆びて劣化するようなことはありません。従って、インプラント体が脱落する原因は、人体側にあることが多いと考えられます。
またインプラント周囲炎により寿命を迎えると、痛みが生じることもあるでしょう。状態が悪化すると、再治療が難しくなるほど歯周の組織にダメージが広がりかねません。場合によっては、隣接する歯に悪影響をもたらすこともあります。
インプラントの寿命が縮む原因
インプラントは10年以上持つこともあれば、逆に10年持たずに寿命を迎えることもあります。インプラントの寿命が縮んでしまう原因として挙げられるのは、以下の通りです。
1. インプラントの質が悪い
インプラントのメーカーは多数あり、さまざまな製品が販売されています。インプラント治療にかかる費用の相場は、一般的に1本当たり20~40万円程度 といわれていますが、より安価な「格安インプラント」と呼ばれるものもあります。
しかしインプラントは「安いから」という理由だけで選ぶのはおすすめできません。格安インプラントを用いた治療には、国内未承認のインプラントを使用している場合があり、質が悪く、問診やカウンセリングがしっかり行われないといった可能性があるためです。
もちろん全ての格安インプラントが悪いとはいえないものの、インプラントを選ぶ際はインプラントの質にこだわることをおすすめします。また問診やカウンセリングをしっかり行っている歯科医院の方が、治療後のメンテナンスのフォローなども受けやすいと考えられます。
2. メンテナンス不足
インプラントの寿命は、メンテナンスに左右される部分も大きいです。日々適切に口腔内のケアをしていれば問題ありませんが、ブラッシングを怠るなどしてメンテナンスが不十分だと、細菌に感染するリスクが高まります。
インプラントを長持ちさせるためにも、日々のブラッシングはきちんと行い、マウスウォッシュなども併用しながら口腔内の清潔を保ちましょう。
3. インプラント周囲炎
インプラント周囲炎は、インプラントの周辺の組織に炎症が起こる病気です。炎症が進行すると、インプラントが機能しなくなり、寿命を迎えるリスクが高まります。具体的には、初期段階である「インプラント周囲粘膜炎」に留まらないほど炎症が深刻化すると、インプラントの脱落につながるでしょう。
インプラントは虫歯にはならないものの、歯周病と似た病気になる可能性はあります。そのため、インプラント手術後は細菌感染をしっかりと防ぐことが大切です。
4. 喫煙習慣
喫煙習慣もインプラントの寿命を縮める原因の一つです。喫煙をすると、歯茎の血流が悪くなります。そのため、インプラントの手術後に人工歯根と骨の結合が遅れたり、手術後に傷の治りが遅くなったりしかねません。また、インプラント周囲炎などのリスクも高まります。
喫煙量が多い人や、喫煙によって口内の状態が悪い人は、インプラント手術自体が受けられない恐れもあるでしょう。
5. 歯ぎしりや食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは、歯にかなり大きな力が加わります。
自然歯の場合は、歯根膜という薄い膜が歯と歯槽骨の間にあり、歯を噛み締めたときにかかる力をクッションのように吸収し、分散させてくれる役割を果たすため、歯にかかる衝撃を抑えられます。
しかしインプラントのような人工歯には、歯根膜がありません。そのため、歯ぎしりや食いしばりの衝撃が直接インプラントに加わり、寿命を短くする原因となるのです。
インプラントの寿命を延ばすためにできること
インプラント手術は歯茎を切ったり骨に穴を開けたりするため、気軽にできるものではありません。また費用も高額になるので、経済的な負担が大きいと感じる方もいるかもしれません。インプラント手術を行う際は、適切なアフターケアなどを実施し、なるべく長くインプラントを使用できるように努めた方が良いでしょう。
そこでここからは、インプラントの寿命を延ばすためにどうするべきなのか、できることをご紹介します。
1. 信頼度の高いインプラントメーカーを選ぶ
1つ目のポイントは、信頼度の高いインプラントメーカーを選ぶことです。メーカーによって、インプラントの材質や形、料金などは異なるため、それぞれを比較して納得できるものを選びましょう。
世界シェア上位のメーカーで、安全性の根拠が示されていれば、ある程度の信頼ができるでしょう。しかし、安全性が不透明で安価なメーカーのインプラントを選んで治療してしまうと、他の歯の寿命まで縮めかねないため、注意が必要です。
インプラントメーカーや使用する機器については、歯科に置いてあるパンフレットや、公式サイトなどで調べてくことをおすすめします。不安や疑問があれば、治療前に歯科で相談しておきましょう。
2. セルフケアをしっかり行う
2つ目は、セルフケアをしっかり行うことです。インプラントの定期メンテナンスは、一般的に年に数回 程度です。従って日々のセルフケアが重要となってきます。
インプラント歯周炎を起こす原因の多くは、日々のメンテナンス不足によるものであるといわれています。そのため毎日ブラッシングを丁寧に行い、デンタルフロスや歯間ブラシなども使用しながら、お口の中を清潔に保ち、細菌感染を防ぐよう心掛けましょう。
3. 定期メンテナンスをきちんと受ける
3つ目は、定期メンテナンスをきちんと受けることです。
インプラントは顎の骨に埋め込まれ、自然歯に近い役割を果たしますが、あくまでも人工物です。自然歯とは異なる不調が生じる可能性があることを、押さえておきましょう。定期メンテナンスでは、インプラント歯周炎になっていないかどうかもチェックされます。
定期メンテナンス時に異常が見つかったとしても、早めに対処することで、インプラントの寿命を延ばせるかもしれません。どれだけ多忙だとしても、定期メンテナンスはきちんと受けましょう。
4. 煙草の本数を減らす・禁煙する
4つ目は、煙草の本数を減らしたり、禁煙したりすることです。
喫煙習慣があると、インプラント治療と術後の状態の維持が難しくなる可能性があります。また喫煙習慣のある人がインプラント治療を受けた場合、インプラントと骨の接合にかかる時間が長くなるといわれています。
以上のことから、喫煙者はインプラント手術を受ける前の段階で、喫煙に関して歯科医から指導されるケースが多いでしょう。手術と治療をスムーズに進めるためにも、治療を期に、禁煙することをおすすめします。
5. 歯ぎしり対策をする
5つ目のポイントは、歯ぎしり対策をすることです。
インプラントは顎の骨に土台が埋め込まれているため、頑丈なイメージを持つ方もいるでしょう。しかし実際は、歯ぎしりのような極端な負荷に弱く、場合によっては脱落の原因にもなります。
普段から歯ぎしりや食いしばりぐせのある人の場合、無意識のうちに顎に力がかかり続けた結果、突然インプラントが脱落する恐れがあります。反対に、歯ぎしりや食いしばりの対処をしていれば、インプラントの寿命を延ばすことも可能です。インプラント治療を受ける前に、マウスピースの装着について医師に相談しておくと良いでしょう。
インプラントが寿命を迎えたら歯科医に相談を
インプラントが寿命を迎えてどうするべきか迷ったら、まずは保証期間を確認しましょう。その上で、なるべく早めに歯科医に相談することをおすすめします。
インプラントには通常5年、もしくは10年の保証期間が設定されており、保証期間内であればスムーズに修復・交換できる可能性があります。ただし保証内容や条件は歯科医院によって異なるため、注意しましょう。
インプラントは通常、10年以上持つことが多いといわれていますが、メンテナンスを怠るなどの原因で、逆に寿命を縮めてしまうことがあります。インプラントを長持ちさせたいなら、セルフケアや定期メンテナンス、歯ぎしり対策などを押さえておくことが大切です。またインプラントを検討する際は、インプラントの質などもチェックしておくと良いでしょう。
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