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虫歯治療にかかる費用は?条件別の目安や負担軽減のコツを解説

虫歯治療にかかる費用は?条件別の目安や負担軽減のコツを解説

虫歯治療にかかる費用はどれくらいなのでしょうか?
本記事では、虫歯治療にかかる費用の目安を【進行度別】、【治療法別】に分けて解説します。

また、その結果から、虫歯治療の治療費が条件によって変わる原因と治療費を軽減するコツもご紹介します。

【進行度別】虫歯治療にかかる費用の目安

虫歯の進行度別に治療費用をまとめました。

進行度別 治療費用(保険診療の場合、3割負担)
初期(C1) 3,000円程度
中等度(C2) 3,000~10,000円程度
重度(C3) 10,000~20,000円程度
末期(C4) 7,000~20,000円程度

初期(C1)

歯の表層部であるエナメル質まで虫歯が進行している状態です。
エナメル質が脱灰している可能性があり、歯の表面に穴があいている場合もあります。
歯を削った後の穴にコンポジットレジン(歯科用プラスチック素材)を詰めて、光で固めたら治療は完了です。

痛みなどの自覚症状はほとんどありませんが、冷たい飲み物や甘いものに敏感になることがあります。

中等度(C2)

エナメル質よりさらに深い象牙質にまで侵食している状態です。
エナメル質は硬い層であるのに対し、象牙質は柔らかく進行が早いといわれています。
虫歯の穴が大きくなり、歯の表面がグレーや黒い色に変化することがあります。歯が敏感になっていて、冷たいものや甘いものに反応することが増えます。

しみたり痛みを感じたりするなど不快に感じることがあり、明らかな症状が出てくるこの段階で、虫歯に気付く人がとても多いです。
歯の穴も比較的大きくなることから、コンポジットレジンで対応できないケースが多く、その場合は、歯型取りを行って模型を作り、詰め物や被せ物を製作し装着します。

重度(C3)

虫歯が歯の神経にまで到達し、神経や血管を蝕んでいる状態です。
この段階までくると噛んだ時に痛みを感じる、熱いものがしみる、さらには何もしなくても痛いということもあり、歯科医院へ駆け込む人も少なくありません。

歯の神経にまで達した虫歯は、抜髄(ばつずい)や根管治療が必須です。
治療期間も比較的長期に渡り根管治療が終わった後は、土台を作って被せ物を装着します。

末期(C4)

虫歯の末期状態で、歯がすっかり蝕まれていて歯の根の部分だけが残っている状態です。
歯の根の治療がうまくいけば歯を残す場合もありますが、抜歯が必要となるケースが多いです。

歯を抜いた後は、ブリッジ・入れ歯・インプラントの選択肢から治療方法を選ぶことになります。

関連記事:虫歯の進行速度はどのくらい?年代や歯質による違いを解説

【治療法別】虫歯治療に必要な費用の目安

治療法には保険診療と自費診療があり、選択する治療法や素材によって費用が変わります。

治療法別 費用(3割負担)
詰め物
  • 保険診療の場合 4,000~6,000円程度
  • 自由診療の場合 50,000~70,000円程度
被せ物
  • 保険診療の場合 10,000~12,000円程度
  • 自由診療の場合 60,000~130,000円程度
入れ歯
  • 保険診療の場合
    部分入れ歯の場合 5,000~20,000円程度
    総入れ歯の場合 10,000〜16,000円程度
  • 自由診療の場合
    部分入れ歯の場合 100,000~600,000円程度
    総入れ歯の場合 150,000~500,000円程度
ブリッジ
  • 保険診療の場合 10,000~20,000円程度(1本当たり)
  • 自由診療の場合 50,000~150,000円程度(1本当たり)
インプラント
  • 自由診療
    インプラント 220,000~385,000円(税込)
    オールオン4 2,200,000~2,750,000円(税込)

詰め物

保険診療の詰め物には、金属やコンポジットレジンを使用した詰め物があります。
コンポジットレジンは歯の色に近い詰め物なので見た目が良いです。
金属の場合は見た目が気になります。
自由診療の詰め物には、ゴールドインレーという金属の詰め物や、ジルコニア製、セラミック製の詰め物があります。
ゴールドインレーは金属なので見た目はよくありませんが、強度が高く二次虫歯になりにくいメリットがあります。
ジルコニアインレー、セラミックインレーは天然歯に近い審美性をもつ詰め物です。

被せ物

虫歯の部分を広範囲に削ったときは、歯の形をした被せ物を使用して治療を行います。被せ物の素材により費用が異なります。
保険診療の被せ物には、金属やコンポジットレジンを使用した被せ物があります。
自由診療の被せ物には、ゴールドクラウン、メタルボンド、オールセラミッククラウンなど、さまざまな種類があります。

入れ歯

入れ歯とは、失った歯を補うための人工歯です。ご自身の歯が残っている場合は部分入れ歯、すべての歯を失った場合は総入れ歯を使用します。
保険適用の入れ歯は人工歯・床(歯茎の部分)ともに、レジンというプラスチックで作製されます。
自由診療の場合材料に制限がないため、金属やシリコンなど使用される素材はさまざまです。

ブリッジ

ブリッジとは、失った歯の本数が少ない場合に用いられる治療法です。
失った歯の両隣の天然歯を削って土台を作り、橋を架けるように人工歯を被せるため違和感が少なく、自分の歯のように噛むことができます。
保険診療でブリッジ治療をすると、前歯から犬歯までには硬質レジンというプラスチック、それ以降は金属を使用します。
自費診療では、ゴールドやジルコニア、オールセラミックなどの素材を選択でき、自分の歯に合わせて色調を調節でき、変色しにくいことが特徴です。強度があり、傷がつきにくい、二次虫歯になりにくいなどのメリットがあります。

インプラント

インプラント治療は自由診療です。
インプラントメーカーと被せ物の材質により料金が違ってきます。
また、前歯から奥歯まで一体になっているタイプのインプラントがあり、オールオン4(All-on-4)と呼ばれています。

関連記事:インプラント治療の費用相場は?本数の違いや費用を抑える方法も解説

虫歯治療の費用が変わる原因

虫歯治療の費用が変わる原因は、虫歯の進行度合いによって治療方法が異なり、その治療方法も保険診療なのか自由診療なのかで費用が大きく変わります。

虫歯の進行度合い

一般的に虫歯治療にかかる費用は、虫歯が進行すればするほど高額になります。
初期の虫歯(C1)であれば歯の表面を削り、詰め物をするだけで治療が完了します。

状態によっては、丁寧な歯磨きやフッ素塗布で再石灰化を促すだけで改善することもあります。
しかし、進行した虫歯の治療では歯を大きく削る(C2、C3)、神経を抜く、抜歯(C4)をするなどの処置が必要になります。

ブリッジや入れ歯、インプラントなど、失った歯を補うための治療に費用がかかります。
重度の虫歯では治療期間が長くなるため通院回数が増え、その分費用が増加します。
費用を抑えるには、早い段階で虫歯治療を行うことが大切です。

保険診療と自由診療

保険診療とは保険が適用される治療で、費用の負担が少ないことが大きなメリットです。
使用できる材料が金属やプラスチックに限られているため、機能性や審美性に欠けます。

自由診療とは、保険が適用されない治療で、材料に制限がないため費用が高額になります。
歯科医院によって費用が異なるため、同じ素材でも費用に幅があります。
質の高い材料を使用できるため、機能性・審美性・使用感に優れているのが特徴です。

虫歯治療の費用負担を軽減するコツ

歯の治療費は決して安くありません。少しでも負担を軽減するコツをご紹介します。

医療費控除を受ける

医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費の一部を、確定申告により所得金額から引くことができる制度です。本人と生計を1つにする家族の医療費も含まれます。

医療費が全額戻ってくるわけではなく、医療費が税金計算のもととなる所得額から控除されることで、所得税・住民税が安くなります。

無料低額診療事業を利用する

収入がないなどの理由で、保険診療の自己負担額分の支払いが難しい場合は「無料低額診療事業」を活用する方法があります。

歯科医院によって取り扱いの有無が異なります。事業に参加している医療機関は、全国福祉医療施設協議会のホームページで確認できます。

低所得世帯やホームレス、要保護者、DV被害者などが対象になり、健康保険に加入していなくても利用できます。
なお、利用するためには申請手続きが必要です。

クレジットカード・デンタルローンを利用する

インプラントをはじめとする自由診療の治療を受ける場合、高額のため一括では治療費が支払えない場合があります。
その場合は、デンタルローンを利用する方法もあります。
デンタルローンとは、歯科治療専門のローンで、歯科医院と信販会社が提携しているローンや銀行が目的別に提供しているローンを指します。

ローンによっては、比較的安い金利で借りることも可能です。
また最近では、クレジットカードで支払いができる歯科医院も増えてきました。

虫歯治療の費用に関するよくある質問

虫歯の治療費に関してよく質問されることがあります。

虫歯治療の初診はいくらかかりますか?

初めて来院される方は、初診料・レントゲン代・その他の検査代を含め保険診療の場合、3,000円程度(3割負担)です。

虫歯治療にはいくら持っていけば良いですか?

歯医者の初診時の治療費が3割負担の方であれば、5,000円を持って行けばほとんどのケースで足ります。
保険診療は全国どこの歯医者に行っても同じ金額で受けられますが、負担額は年齢や収入などに応じて1〜3割負担です。

虫歯治療にかかる費用の軽減

虫歯治療にかかる費用は、虫歯が進行すればするほど高くなります。
重度の虫歯では、歯を補うための被せ物やブリッジ、入れ歯などが必要になり、その分費用がかかります。

保険診療と自由診療、どちらを選択するかによっても費用が大きく違うため、歯科医師と相談して選択することが大切です。

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