トップ画像

Column

オールオン4(All-on-4)の治療期間・流れを解説

公開日:

オールオン4(All-on-4)の治療期間・流れを解説

オールオン4(All-on-4)の治療期間や流れについて、気になっている方は多いのではないでしょうか。オールオン4は、少ない本数のインプラントで固定式の歯を装着できる治療法ですが、初診から完了までには一定の期間が必要です。

本記事では、オールオン4の治療期間や通院回数、そして個人差を生む要因まで解説します。治療を検討している方は、この記事を参考に無理のないスケジュールを組み立てましょう。

オールオン4の治療期間|全体像

オールオン4の治療期間は、一度に多くの歯を回復できる利点がある一方、どのくらいかかるのか不安に思う方もいるでしょう。

ここでは、以下2つを解説します。

  • 治療開始から完了までの標準的な期間(約6〜7ヶ月)
  • 通院回数の目安(全体で10回程度)

大まかな流れを把握し、計画的に治療を進める際の参考にしてください。

治療開始から完了までの標準的な期間(約6〜7ヶ月)

オールオン4の治療では、治療開始から完了まで約6〜7ヶ月を要するケースが一般的です。 この間にはカウンセリングや精密検査、インプラント埋入手術・仮歯期間、本歯の装着などが含まれます。 まずはカウンセリングで口内の状態を把握し、骨の量や歯茎の健康状態を確認したうえで、治療計画を立てていきます。

インプラント直後は骨との結合を待つため、3〜6ヶ月ほどの安定期間が必要です。 しかし、その間は仮歯を使って日常生活を送れます。 最後に本歯を装着し、噛み合わせや見た目を整えれば完了です。

通院回数の目安(全体で10回程度)

オールオン4の通院回数は、カウンセリングから最終チェックまでを合わせて、おおよそ10回程度が目安とされています。 初診では口内全体の状態や治療への希望を確認し、精密検査やレントゲン撮影などを実施。その後、抜歯や仮歯の調整が必要になる場合は追加の来院が発生することがあります。しかし、多くのケースではインプラント埋入や型取り、本歯の装着がおもな流れです。

仮歯の調整や噛み合わせのチェックを含め、1回あたりの通院自体は短時間で済む場合が多く、仕事や家事との両立も十分に可能です。 最終的に本歯が装着されたあとは、メンテナンスを定期的に受けながら歯の健康を維持していくことになります。

オールオン4の治療の流れと所要期間

オールオン4の治療は、初診から最終的な歯(本歯)を装着するまでに複数の手順を踏みます。ここでは、以下6つを説明します。

  • 治療前の準備期間(1〜2週間)
  • 手術日の流れ(4回目/約半日)
  • 回復期・経過観察期間(約1週間〜1ヶ月)
  • 骨結合期間(約3〜6ヶ月)
  • 最終補綴物(本歯)の製作と装着(約2〜3週間)
  • 治療完了後のメンテナンス

それぞれ見ていきましょう。

治療前の準備期間(1〜2週間)

オールオン4の治療を円滑に進めるためには、手術前の準備期間が重要です。 最初はカウンセリングや検査を通じて、口内全体の状態を把握。 具体的には、レントゲンやCTなどを用いて骨の量や歯茎のコンディションを確認し、インプラントを埋入する位置や角度を詳細に計画します。 抜歯が必要な場合や歯周病の治療が先に必要な場合には、ここで処置を行っておきます。

一般的に1〜2週間ほどあれば、初期の検査や治療計画の説明、同意などが一通り完了するでしょう。 準備を整えておくことで、手術やその後の回復をスムーズに進められるため、この期間を疎かにしないことが大切です。

手術日の流れ(4回目/約半日)

インプラント埋入手術は通院の4回目あたりで行われることが多く、半日ほどかかるのが一般的です。 まず、局所麻酔や静脈内鎮静法を使い、痛みや不安を最小限に抑えた状態で進めます。

歯茎を開いてインプラントを埋め込む位置を確認し、骨の中に固定したら、場合によっては仮歯をその場で装着することも可能です。 術後は少し休憩を取り、腫れや痛みがないかを確認したうえで帰宅となるため、基本的に入院の必要はありません。

回復期・経過観察期間(約1週間〜1ヶ月)

術後1週間〜1ヶ月は、体がインプラントを受け入れ、傷口が安定するための大切な回復期です。 初日は痛みや腫れが出る場合がありますが、処方された鎮痛薬やアイシングを活用して対処できます。

術後数日目に来院して消毒や経過観察を行い、歯茎の状態やインプラントの安定度を確認します。 食事は硬いものを避け、できるだけ刺激の少ない形態にすると安心です。 また、ここで仮歯の調整を行い、噛み合わせや見た目を合わせておくことで、日常生活への影響を最小限に抑えられます。

骨結合期間(約3〜6ヶ月)

インプラントが骨と結合するまでの3〜6ヶ月は、オールオン4治療の鍵となる期間です。 インプラントは骨と「オッセオインテグレーション」という結合を起こすことで、自然の歯根のような強度と安定性を得ます。 この期間中は仮歯を使用しながら生活し、硬い食べ物はなるべく控えて負荷をかけ過ぎないようにしましょう。

骨の状態や回復力によって、短縮または延長されることもありますが、早めに本歯を装着してしまうとインプラントがぐらつくリスクが高まります。 定期的な受診でインプラントや歯茎の状態をチェックし、問題がなければ本歯製作へと進みます。

最終補綴物(本歯)の製作と装着(約2〜3週間)

インプラントと骨が安定したら、最終的な歯を作る段階に入ります。 型取りを行い、見た目や噛み合わせを考慮しながら、本歯を製作していく流れです。 通常、2〜3週間ほどの間に複数回の通院が必要で、色や形を微調整しながら理想的な仕上がりを目指します。 仮歯と比べて耐久性や審美性が高いため、食事や会話がより快適になります。

ただし、完成間近の段階でも噛み合わせのわずかなズレが出る場合があるため、慎重に確認するのが大切です。 本歯が装着されれば治療は最終段階を迎え、オールオン4のメリットを存分に実感できるようになります。

治療完了後のメンテナンス

オールオン4の治療が完了したあとも、定期的なメンテナンスが欠かせません。 インプラント周辺に歯垢や歯石がたまると、歯周病のような症状(インプラント周囲炎)が進行してしまうおそれがあります。 歯科医院でのクリーニングや、検査を受けることがポイントです。

また、日常のブラッシングや歯間ブラシでのケアも怠らないようにしましょう。 もし仮歯の期間中に噛み合わせや歯茎に違和感があった場合も、引き続き経過観察を続けて必要に応じて調整を行います。 こうしたメンテナンスを続けることで、オールオン4のインプラントを長持ちさせ、快適な口腔環境を保てるようになります。

治療期間を左右する個人差の要因

オールオン4の治療期間は、患者それぞれの体質や口内の状態によって大きく変わります。

ここでは、以下5つを紹介します。

  • 患者の口腔内状態(歯周病・虫歯の程度)
  • 骨の量と質の状態
  • 全身疾患や生活習慣(喫煙・糖尿病など)
  • 年齢による回復力の違い
  • 抜歯の必要性と本数

詳しく見ていきましょう。

患者の口腔内状態(歯周病・虫歯の程度)

歯周病や虫歯が進行している場合、それらを治療・管理することが欠かせません。
歯茎が炎症を起こしていると、インプラントを埋入しても安定しにくく、早期にトラブルが起こる可能性が高まります。
虫歯が深い場合は抜歯が必要になり、根管治療を行って残せる歯を優先的に温存することも検討されるでしょう。

治療期間中には仮歯を装着しながら歯周病ケアやクリーニングを並行して行うことも多く、こうした処置が増えればその分通院回数や期間も長引きます。
事前に口腔内の問題を把握し、必要に応じた治療計画を立てることが重要です。

骨の量と質の状態

オールオン4では顎の骨にインプラントを固定するため、骨の量や質が不足していると手術そのものが難しくなります。
骨がやわらかかったり薄かったりする場合は、骨の移植やボーン・グラフト(人工骨の埋入)などを検討する必要があるでしょう。
これらの追加処置が必要になると、どうしても治療期間は延びがちです。

また、骨が再生するまでの待期期間も設けられるため、数ヶ月単位の遅れが生じるケースもあります。
反対に、十分な骨量が確保されていれば、骨結合期間もスムーズに進む場合が多く、治療全体が短縮できる可能性があります。

全身疾患や生活習慣(喫煙・糖尿病など)

インプラント治療を行ううえで、喫煙や糖尿病など全身的な健康状態も大きく影響します。
喫煙によって血流が悪化すれば傷の治りが遅れ、インプラントと骨の結合に悪影響が出るおそれがあります。
糖尿病患者の場合、血糖値が不安定だと感染リスクが高まりやすく、術後の回復が遅れる可能性も。

そのため、治療前に禁煙を指導され、内科的コントロールが十分に行われるまで待期期間を設けられることもあるでしょう。
こうした生活習慣や全身疾患をうまく管理できれば、治療期間をスムーズに進めることにつながります。

年齢による回復力の違い

若い方と高齢の方では、どうしても傷の治りや骨の回復力に差が出ることがあります。
高齢になればなるほど、組織の再生能力が落ちる傾向があるため、インプラントが骨と結合するまでにやや長めの期間を見込む必要があります。
また、持病や薬の服用状況によって、歯科医と主治医が連携しながら治療スケジュールを調整することも大切です。

ただし、年齢だけでオールオン4が不可能というわけではありません。
個々の健康状態と口内状況を総合的に判断し、適切な期間を設定すれば成功するケースが多いです。

抜歯の必要性と本数

オールオン4では多くの場合、残せる歯が少ない状況を想定してインプラントを埋入します。
しかし、まだ一部の歯が残っている場合、それを抜歯するかどうかが治療期間に影響します。
抜歯した箇所は感染リスクを下げるために数週間から数ヶ月、状態の安定を待つことが多いため、その分スケジュールが延びる可能性も。

残存歯が多いほど処置の手間も増えるため、通院回数が増え、仮歯で過ごす期間が長引くことも考えられます。
一方で、抜歯の必要がない歯が活用できる場合は、治療計画自体をシンプルに組み立てられるため、期間も短くなるケースがあります。

オールオン4の治療期間を計画的に乗り切るために

オールオン4の治療期間は、骨や口腔内の状態から、通院時期や生活習慣まで、多岐にわたる要素によって変化します。
大まかな流れと自分の健康状態を正しく把握し、歯科医師と連携しながらスケジュールを組むことが大切です。

痛みやメンテナンス面も含めて見通しを立てながら進めれば、時間を有効に使い、安心して治療を乗り切れます。
適切な準備とアフターケアを心がけることで、治療後の満足度も高まるでしょう。

コラム一覧に戻る

インプラントについてのご相談はこちら