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インプラント手術後の注意点とは?腫れがひどい場合の対処法も解説

インプラント手術後の注意点とは?腫れがひどい場合の対処法も解説

この記事では、インプラント手術後の重要な注意点と、腫れがひどい場合の対処法について詳しく解説しています。手術直後から1週間の間の飲食、睡眠、歯磨き方法など、術後の日常生活で気をつけるべきポイントがあります。

また、インプラント手術後に起こりうる出血や痛みなどの症状と、それらに対する適切な対処法も紹介しています。

インプラント治療を検討している方や、手術後のケアについて不安を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。

インプラントは手術後すぐには使えない?

インプラントは手術後すぐには使えない?

インプラント手術後、すぐに使用できるかどうかは、選択した治療法により異なります。主に「1回法」「2回法」と呼ばれる2つの方法があり、それぞれの治療法に応じて、利用開始までの期間が変わります。

治療方法・治療期間
1回法 2回法
通院回数:1〜2回 通院期間:1日〜2週間 通院回数:4〜6回 通院期間:3〜7ヶ月

1回法の場合、手術を1回のみで済ませ、インプラントとアバットメントを同時に取り付けます。1回法では、上顎で約4〜6ヶ月、下顎で約3ヶ月の治癒期間を経て、上部構造の製作と取り付けが行われ、使用開始となります。1回法は2回法に比べ治癒期間が短いため、インプラントを早めに使用できるメリットがあります。

一方で、2回法では最初の手術でインプラントを埋入した後、一定の治癒期間を経て、二次手術でアバットメントを装着します。2回法の治癒期間は、上顎で4〜6ヶ月、下顎で約3ヶ月とされており、その後1ヶ月程度の上部構造の製作期間を経て全ての歯の装着が完了します。

2回法は、インプラントの安定性を高めるために、一時的にアバットメントを取り付けずに治癒を促すため、治療期間が長くなる傾向にあります。

関連記事:インプラント一回法と二回法における違いとメリット・デメリット

インプラント手術後の注意点

インプラント手術後は、口腔内が敏感であるため注意点が多いです。ここでは、手術後から1週間以内、1週間後からメンテナンス期間に分けて解説していきます。

手術後から1週間以内

インプラント手術後から1週間以内は、以下の注意点を理解しておきましょう。

【術後1週間までの注意点】

  • 飲食
  • 睡眠
  • 運動と入浴
  • 歯磨き
  • 飲酒と喫煙

特に飲食についてはシビアになるため、よく理解しておいてください。

飲食

インプラント手術後の飲食は特に注意が必要です。手術に使用される局所麻酔の効果が2〜3時間続くため、手術直後の数時間は飲食を控えなければいけません。麻酔の影響で感覚が鈍くなり、唇や頬を噛んでしまうリスクがあります。また、熱い食べ物によるやけどを避けるためにも、食事は慎重に行う必要があります。

手術当日は柔らかい食べ物を中心に摂るようにしてください。おかゆ、スープ、麺類、ゼリーなどが適しています。固い食べ物や刺激物、甘い食べ物は避け、治療した側と反対側の歯で噛むように心がけてください。辛い料理や粘度の高い食べ物も、痛みや腫れ、出血の原因となるため控えることが望ましいです。

手術から3ヶ月〜半年程度経過すれば、インプラントが顎の骨にしっかりと定着しているため、固い食べ物も自然な噛み方で楽しめるようになります。

睡眠

インプラント手術後は、休息と十分な睡眠が回復を促進します。手術による身体のストレスから回復するためには、夜更かしを避け、穏やかな睡眠環境を整えることが重要です。安静にして体を休めることで、手術部位の治癒を効果的にサポートしてくれます。

運動と入浴

手術後の数日間は、血行を促進する運動や長時間の入浴を控える必要があります。特に、手術から2〜3日後は激しい運動を避けることが望ましく、ウォーキングなど軽い運動も控えめにすることが推奨されます。また、痛みや出血のリスクを軽減するため、シャワーに留め、湯船に長く浸かることを避けましょう。

歯磨き

手術部位は手術後約1週間から10日間、直接的な歯磨きを避ける必要があります。歯ブラシによる刺激は、傷口の治癒を遅らせる可能性があるためです。しかし、口内の衛生は重要なため、手術部位以外の歯は通常通り磨きましょう。

また、うがい薬を利用して口腔内を清潔に保つことも大切です。うがいは強く行わないように注意し、口腔内を刺激しないように優しく行いましょう。

飲酒と喫煙

インプラント手術後は、飲酒と喫煙に特に注意が必要です。アルコールは血流を良くし、出血や炎症の原因となります。また、アルコールによる痛みの増加や、薬の効果を阻害するリスクもあるため、手術後少なくとも1週間はアルコールの摂取を控えることが推奨されます。

喫煙に関しても、ニコチンは歯肉の血管を収縮させて血流を低下させ、歯肉の健康を損なうことがあります。これは創部の治癒を遅らせる原因となり、特にインプラント周囲炎のリスクを高めます。そのため、手術後は特に、タバコを吸わないようにすることが望ましいです。

長期的には、歯肉の健康を保つためにも喫煙の回数や量を減らし、できれば禁煙を目指すことが重要です。

1週間後からメンテナンス期間

インプラント手術後、1週間からメンテナンス期間もいくつか注意点があります。

【1週間からメンテナンス期間までの注意点】

  • 歯磨き
  • 抗菌剤
  • 鎮痛剤

間違ったケアで問題を起こさないように、確認していきましょう。

歯磨き

インプラント手術1週間程度が経過しても、引き続き口内の衛生管理に気を付ける必要があります。手術部位の近くはまだ慎重に扱う必要がありますが、他の部分は通常通り磨くことができます。インプラント周りも柔らかい歯ブラシを使用し、優しく磨くようにしましょう。

また、口腔内を清潔に保つために、適切なブラッシング方法を歯科医や衛生士から学ぶことをおすすめします。

抗菌剤

抗菌剤の服用は、手術後の感染を防ぐ上で重要です。医師が処方した抗菌剤は、指示された通り正しい量を完全に飲み切ることが必要です。飲み切らなければ効果が半減し、傷口の治癒を遅らせる原因になり得ます。処方された抗菌剤を正しく服用することで、手術部位の健康維持に寄与するでしょう。

鎮痛剤

手術後の痛みを軽減するため、医師から処方された鎮痛剤が必要になることがあります。鎮痛剤は、必要に応じて適切な量を服用し、医師の指示に従ってください。痛みが激しい場合や、鎮痛剤の効果が感じられない時は、迷わず医師に相談するようにしましょう。

インプラントの術後に対応が必要な症状

インプラント手術を受けた後、通常は問題なく回復しますが、時に注意が必要な症状が出ることがあります。

【術後注意が必要な症状】

  • 出血
  • 痛み
  • 薬の副作用
  • 口から膿が出る症状

特に出血、痛み、薬の副作用、口から膿が出るなどの症状は、通常の経過ではないため、すぐに担当医に相談することが重要です。

出血

手術後の出血は、一般的には1〜2日で止まることが多いです。しかし、出血が続いたり、鼻からの出血がある場合は、施術部位の周囲に問題が起こっている可能性があります。出血の頻度や量に留意し、異変を感じたら直ちに医師に伝えることが肝心です。

痛み

インプラント手術後の痛みや腫れは、個人差がありますが、通常は1週間程度で落ち着きます。もし鎮痛剤を服用しても痛みが収まらない場合は、薬が合わない、または施術部位周辺で何らかの問題が起こっている可能性があります。痛みを我慢せず、おかしいと感じたら早急に医師に相談しましょう。

薬の副作用

鎮痛剤や抗生物質による副作用も注意が必要です。下痢や湿疹などの症状が現れる場合があり、薬が合わないことが原因かもしれません。このような場合、薬の服用を無理に続けず、医師に相談してください。

口から膿が出る症状

上顎の手術では、鼻から出血するだけでなく、膿が出ることがあります。下顎の手術では、下唇の震えやよだれが続く場合もあります。これらの症状は施術部位周辺に問題が起きている可能性があるため、早急に医師に相談しましょう。

腫れがひどい場合の対処法

インプラント手術後に発生する腫れは、通常の回復過程の一部ですが、場合によっては腫れが予想以上にひどくなることがあります。そんな時は、以下の対処法を試してみましょう。

【対処法】

  • 処方薬を正しく服用する
  • 腫れのある部位を冷やす
  • 血流が促進される行為を避ける
  • 早めに医師に相談する

これらの方法は、痛みや不快感を軽減し、回復をスムーズに進めるのに役立ちます。

対処法①処方薬を正しく服用する

手術後、痛みや腫れを抑えるために医師から痛み止めや抗生物質が処方されます。これらの薬は、指示された通りに服用することが大切です。自己判断で薬の服用を中止すると、腫れが悪化する可能性があります。また、服用を忘れた場合も、薬の効果が十分に発揮されないため、定められたスケジュールで服用していきましょう。

対処法②腫れのある部位を冷やす

腫れが強い場合、対象部位を冷やすことで一時的に症状を軽減することができます。濡らしたタオルや市販の冷却シートを使用し、軽く頬を冷やしてみましょう。ただし、冷やし過ぎは治癒を遅らせる原因となるので、注意が必要です。腫れの状態を見ながら、適度に冷やすことがポイントです。

対処法③血流が促進される行為を避ける

手術後の回復期は、血流を促進させる行為を避けることが望ましいです。具体的には、アルコールの摂取、入浴やサウナ、運動などを控えてください。これらの行為は血液の循環を促し、腫れや痛みを増加させる可能性があります。安静を保ち、血流を落ち着かせることで、腫れの軽減につながります。

対処法④早めに医師に相談する

もし、上記の対処法を試しても腫れが引かない場合は、早めに医師に相談しましょう。特に腫れが1週間以上続く場合や、強い痛みや出血、感染の兆候が見られる場合は、迅速な対応が必要です。自己判断せず、専門家の意見を聞きながら適切な治療を受けることが、回復への早道となります。

骨造成法を行った場合のリスク

「骨造成法」は骨の量が不十分な場合に行われる治療で、「サイナスリフト」と「GBR」があります。これらの方法を選択した場合、リスクが伴うことを理解しておく必要があります。

サイナスリフト

サイナスリフトは、上顎に人工骨を盛り足す手術です。術後は体の位置に注意が必要です。施術部位が下になるような、うつぶせ寝は避けるべきです。施術部分の血流を悪化させ、治癒過程に影響を与える可能性があるためです。

さらに、サイナスリフトは副鼻腔に対して行われる治療なので、運動や歌唱など、激しい呼吸を伴う活動は2週間ほど控えることが勧められます。また、鼻風邪などの感染症にかかると、上顎洞への感染拡大のリスクがあります。くしゃみも同様に、鼻に負担をかけるため可能な限り控えることが望ましいです。

そして、通常のインプラント治療と同様、喫煙は極力控えましょう。また、サイナスリフトを受けた方は、通常よりも長期にわたる抗生剤と鎮痛剤の服用が必要とされます。これらの薬は医師の指示に従って、正しく服用してください。

GBR

GBRは、足りない骨を補うために、人工骨や患者自身の骨を使用する手術です。手術後は、施術部位を下にしてうつぶせ寝をすることは避けてください。施術部分の血流を低下させ、傷の治癒を妨げる可能性があります。

また、GBR後は一時的に圧痛を感じることがありますが、指や舌で施術部位を触ることは避けるべきです。このような行動は、盛り足した柔らかい骨が変形するリスクを高めます。術後の回復を促進し、成功率を高めるためには、これらの注意点を守ることが非常に重要です。

関連記事:インプラントにおけるGBRとは?手術をすることのリスクと必要性

インプラント手術後は正しいケアを

いかがでしたでしょうか。本記事では、インプラント手術後の注意点や症状、正しいケア方法について解説していきました。

手術が伴うインプラントは、予期せぬトラブルや症状が起こるケースもあります。しかし、正しいケアで対処することで、問題なく解決することが多いです。これからインプラント手術を行う方も、本記事を参考に注意点やトラブルなどを把握しておきましょう。
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